【千葉県立美術館】日本近代美術の巨匠「浅井忠、あちこちに行く―むすばれる人、つながる時代―」開催!

近代日本美術史に大きな足跡を残した画家・浅井忠の魅力に迫る特別展が、千葉県立美術館で開催されます。 開館50周年を記念した本展では、浅井忠の油彩画から水彩画、デザイン、陶芸までの作品約350点を一堂に集めました。 浅井忠の多彩な才能を堪能できる貴重な機会となります。

【画像をみる】【千葉県立美術館】日本近代美術の巨匠「浅井忠、あちこちに行く―むすばれる人、つながる時代―」開催!

浅井忠、あちこちに行く―むすばれる人、つながる時代―

浅井忠、あちこちに行く ポスター画像

浅井忠 佐倉が生んだ近代美術の先駆者

1904-06年頃の肖像

1904-06年頃の肖像

1856年に佐倉藩の江戸屋敷に生まれ、幼少期を佐倉で過ごした浅井忠。

日本最初の国立美術学校「工部美術学校」でイタリア人画家アントニオ・フォンタネージから西洋画を学び、その後、油彩画から水彩画、さらには工芸デザインまで、幅広い分野で革新的な作品を生み出しました。

見どころ満載の展示内容

本展の特徴は、千葉県立美術館が50年かけて収集した浅井忠コレクションを中心に、その画業を総合的に紹介する点です。注目の展示内容をご紹介します。

1. 初公開作品を含む豊富な展示

初公開作品のひとつ 浅井忠≪ナポリ≫1902年、水彩・紙

初公開作品のひとつ 浅井忠≪ナポリ≫1902年、水彩・紙

・収蔵後初公開となる8点を含む約350点の作品・資料
・水彩画の傑作「ナポリ」(1902年)など貴重な作品群

本展の白眉となるのが、収蔵後初めて公開される8点の作品です。
また、塚本靖宛の絵葉書(1901年11月10日付)からは、旅先での浅井の心情や当時の様子を垣間見ることができます。

浅井忠「塚本靖宛絵葉書」1901年11月10日付

浅井忠「塚本靖宛絵葉書」1901年11月10日付

2. 時代ごとに見る浅井忠の芸術

浅井忠《藁屋根》1887年頃、油彩・キャンバス

浅井忠《藁屋根》1887年頃、油彩・キャンバス

・東京時代:日本の農村風景を描いた油彩画「藁屋根」「漁婦」
工部美術学校で西洋画を学んだ浅井は、日本の農村風景を油彩画で表現することに挑戦します。

代表作「藁屋根」(1887年頃)では、日本の伝統的な家屋を西洋の油彩技法で描き、両者の見事な融合を実現。

「金州新聞記者宿舎」(1887年)や「漁婦」(1897年)からは、明治期の日本の生活を克明に記録する画家としての一面も見ることができます。

浅井忠《グレーの塔》1901年、水彩・紙

浅井忠《グレーの塔》1901年、水彩・紙

・パリ留学時代:アール・ヌーヴォーの影響を受けた「グレーの塔」「フォンテンブローの夕景」
1900年のパリ留学で、浅井は当時最新の芸術動向「アール・ヌーヴォー」に触れます。
「グレーの塔」(1901年)や「フォンテンブローの夕景」(1901年)には、流麗な線と装飾性を重視する新しい表現が取り入れられています。「洋上の夕陽」(1902年)からは、西洋の光と色彩への深い理解が感じられます。

浅井忠《花》1902-07年、水彩・紙

浅井忠《花》1902-07年、水彩・紙

浅井忠《京都高等工芸学校の庭》1903年、水彩・紙

浅井忠《京都高等工芸学校の庭》1903年、水彩・紙

・京都時代:デザインと教育者としての集大成
帰国後、京都高等工芸学校教授として後進の育成に尽力した時期の作品群も見逃せません。
「花」(1902-07年)や「京都高等工芸学校の庭」(1903年)には、パリで学んだデザイン性と日本の伝統的な美意識が融合しています。
特に「茶器(猿蟹合戦ノ図)」(1902-07年)は、工芸分野への挑戦を示す興味深い作例です。

浅井忠≪茶器(猿蟹合戦ノ図)≫1902-07年、陶芸

浅井忠≪茶器(猿蟹合戦ノ図)≫1902-07年、陶芸

3. デジタル技術を活用した新しい鑑賞体験

展覧会の特徴的な取り組みが「浅井忠デジタルアーカイブ」です。
4冊の直筆日記をデジタル化し、関連資料とともに公開。地図と連動したコンテンツでは、浅井の足跡を仮想的にたどることができます。

明治時代の美術教育を追体験できる体験型ワークショップも!

浅井の弟子たちによって刊行された教科書『訂正自在画臨本』第6編より 大豆

浅井の弟子たちによって刊行された教科書『訂正自在画臨本』第6編より 大豆

また、常設ワークショップ「浅井の教室"図案科"に体験入学」では、浅井が実際に教えていた工芸品の図案制作を体験可能。
明治時代の美術教育を追体験できる貴重な機会となっています。

「浅井忠の教科書にチャレンジ」
浅井が手掛けた教科書のひとつ「自在画臨本」から、写生や図案を描きます。浅井の描いた線をかたどって、明治時代の美術の授業にタイムスリップ!
日時:11月9日(土)/ 12月7日(土) 各日13:00~15:00
会場:第2アトリエ
定員:20人
対象:小学生~一般
申し込み方法:事前申込・先着順  GoogleFormにて受付(締切は各回前日)
参加費:500円

充実の関連イベント

この他にも、第一線の研究者による4回の特別講演や館長と一緒に展覧会を巡る特別ファミリーガイドツアーなどイベントが盛りだくさん。

本展は、作品の展示にとどまらず、浅井忠という稀代の芸術家の全体像に迫る、まさに集大成といえる展覧会です。観る者の心に深い感動を呼び起こすことでしょう。

展覧会情報

「浅井忠、あちこちに行く―むすばれる人、つながる時代―」
期間:2024年10月30日(水)~2025年1月19日(日)
場所:千葉県立美術館
開館時間:9:00~16:30(入場は16:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/28~1/4)
入場料:
一般:1,000円
65歳以上、中学生以下:無料
高校・大学生:アンケート回答と学生証提示で無料
障害者手帳をお持ちの方と介護者1名:無料

▼アクセス・問い合わせ
住所:〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1
電話:043-242-8311
FAX:043-241-7880
ウェブサイト: https://www.chiba-muse.or.jp/ART/
SNS:
X(旧Twitter): @chiba_pref_muse
Instagram: @chiba_pref_muse_art

【PR TIMES】「浅井忠、あちこちに行く―むすばれる人、つながる時代―」開催!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000122505.html

ジャンルで探す