管理栄養士の「3つの“食ルール”」で10歳若返り! 髪・肌・体形の老化を抑制
実年齢より若く見える人と、老けて見える人がいるのはなぜなのか。「実は若々しさを保つのには厳しい制限も、極端に何かをがまんする必要もありません」と管理栄養士の菊池真由子さん。「緑茶」「オイル」……意識すべきもうひとつのキーワードとは?
「体重が増えた、体形が崩れた、肌や髪のハリ・ツヤがない、血行が悪いなどの老化現象は食事でくい止めることができます」
と話すのは、生活習慣病予防やダイエットに詳しい管理栄養士の菊池真由子さん。
1つ目は朝食、朝食を食べればいいことだらけ
「適切な食生活を送れば身体は何歳からでも若返ります。ダイエットやアンチエイジングで無理な制限をするのは、大きな間違い。栄養が不足すると、むしろ老化が加速します」(菊池さん、以下同)
極端な食事制限で体重を一度に落とすと、脳や身体が危機を感じて元の状態に戻ろうとし、リバウンドしやすくなる。さらに筋肉量が減って代謝が下がり、かえって太りやすい体質に。
「若々しさを維持するにはまず、食事をきちんと食べて必要な栄養素をとり、代謝を上げることが欠かせません。そこで鍵になるのが朝食。日中、活動的になって自然と消費エネルギーが増えます。血糖値も安定し、昼食や夕食の食べすぎが自然となくなります。
何より1日の始まりに必要な栄養素をとることで代謝が上がり、老化の原因となる活性酸素を打ち消したり脂肪の分解もスムーズに。身体のすみずみまで栄養が巡るので、新しい細胞がつくられて古い細胞が排出され、髪や肌のハリ・ツヤもアップします」
朝食の必須食材「卵&納豆」で若返り
では、どんな朝食がいいのか。
「とるべき栄養素は、食物繊維、タンパク質、ビタミンB群。食物繊維は腸内環境を整えてお通じを促し、やせ菌を増やします。“やせ菌”は、脂肪の吸収を抑える短鎖脂肪酸という物質を出して脂肪燃焼効果を高めてくれます。
ビタミン類は老化の原因となる活性酸素の撃退に必須。タンパク質は細胞の原料となり、さらにビタミンB群と一緒にとると脂肪燃焼効果がアップします」
8種のビタミンの総称であるビタミンB群は、代謝アップに効果的で若返りにも欠かせないが、8種同時にとれるのは卵、牛肉、豚肉、鶏肉だけ。
「ですから朝食は、タンパク質とビタミンB群の8種を一度にとれる卵が欠かせません。ただし、食べすぎるとコレステロール値が高まる可能性があるため、1日1個が目安。
また食物繊維、タンパク質、ビタミンB群のほとんどをとれる納豆もおすすめ。オクラやモロヘイヤなどのネバネバ野菜を混ぜて食べれば、若返り効果は倍増します」
※納豆は、血栓を予防する薬を飲んでいる人は禁止されている場合があるので、主治医に確認すること。
脂肪燃焼を高める2つのテクニック
脂肪燃焼を高めてくれるのが、“しょうがオイル”と“濃い緑茶”だ。
「しょうがオイルは、温めたエクストラバージンオリーブオイルに、皮ごとすりおろしたしょうがを入れ、1分ほど加熱して作ります。しょうがを温めることで生まれる辛味成分ジンゲロンが、脂肪燃焼やエネルギーの代謝を高め、血行を促進。さらに抗酸化作用によりシミやシワを防いでくれるショウガオールもとれるので、効果は絶大です」
エクストラバージンオイルにも、便秘改善効果のあるオレイン酸、美肌や血行促進効果が期待できるビタミンEなどが豊富に含まれる。
「しょうがオイルは炒め油として使うのがおすすめですが、辛味が苦手でなければドレッシングやおかずのタレにも最適。みそ汁、スープに入れたり、刺身やパスタにかけたりすれば減塩になり、むくみ解消にもつながります。摂取目安は1日小さじ1~2杯。冷蔵庫に入れれば1か月は保存できます」
また緑茶には、ポリフェノールの一種である茶カテキンが豊富。茶カテキンは血糖値の急上昇を抑える効果があり、食前、食中に飲むことで食べすぎの予防につながる。
「さらに糖の吸収を抑えて中性脂肪の合成を抑制し、脂肪燃焼を高める効果も。美容に効果的なビタミンCや、リラックス効果のあるGABA、テアニンもとれるので、緑茶はまさに最強の若返りドリンクです。
ペットボトルを購入する場合は、カテキン成分の多い濃いタイプの緑茶を選びましょう。1回の食事で150ml、1日トータルで1Lくらい飲むと効果的です」
ただし、緑茶のカフェインには覚醒作用があるため、就寝2~3時間前からは飲まないようにしよう。
「朝食、しょうがオイル、濃いお茶の3つをまずは1週間続けてみてください。お通じが改善し、むくみが解消するので、1週間たたずに1~2kg減る人もいます。
効果の出方には個人差がありますが、早ければ1か月、遅くても3か月後にはやせ体質になって身体が変わってくるはず。体質自体が変化してやせるので、ムリなく少しずつ体重が減り、リバウンドしにくい身体になります」
若返りのための3つのテクニック
朝食:食物繊維、タンパク質、ビタミンB群をきちんととることで、腸内環境が改善、美肌や免疫アップ効果も得られる。卵と納豆は必須食材!
和食
・わかめふりかけご飯
ご飯には市販品の「わかめふりかけ」を。食物繊維が豊富で、小腸で栄養が吸収される速度を遅らせるため、急激な血糖値の上昇を抑制。
・納豆オクラ
納豆にオクラのネバネバを合わせることで納豆(タンパク質)の吸収率を高める効果が。納豆とオクラどちらもビタミンが豊富で、ダイエットや老化防止にもお役立ち。
・ほうれん草の卵焼き
身体をつくるために必要なタンパク質は、単品で食べるよりも、βカロテンやビタミンが豊富な緑黄色野菜と組み合わせることで、より脂肪燃焼効果を高められる。
・バナナヨーグルト
ヨーグルトは「トクホ(特定保健用食品)」のプレーンがおすすめ。腸の中のやせ菌がつくる天然のやせ成分「短鎖脂肪酸」を増やせる
洋食
・ミニトマトのサラダ
トマトのリコピンには、活性酸素に対抗する力がある。油を使ったドレッシングをかけるとβカロテンの吸収率もアップ!
・フランスパン
洋食の朝ごはんに食パンを選ぶ方も多くいるが、手軽な半面、食べすぎる傾向に。フランスパンは、砂糖やバターが入っていないのでヘルシー。
・キウイヨーグルト
「キウイ、いちご、りんご」のいずれかを選ぼう。糖質が少ないだけでなく、腸内の有害物質を体外に出すペクチン(不溶性食物繊維)が豊富。
・ほうれん草の卵炒め
脂肪燃焼効果を高めてくれる卵とほうれん草のコンビは、和食と同様毎日食べたい。
しょうがオイル
血行促進、脂肪燃焼、肌のツヤアップ、シミ予防、むくみ解消などさまざまな若返り効果がある。摂取目安は、1日小さじ1~2杯。炒め油やサラダ、おかずのタレとしても便利。
材料(作りやすい分量)
・しょうが(皮つき)のすりおろし……100g
・エクストラバージンオリーブオイル……100ml
【作り方】
(1)オリーブオイルをフライパンに入れて中火で温める。
(2)細かな泡が立ったら弱火にしてしょうがを加え、1分ほどヘラで混ぜる。
(3)ビンに入れて粗熱がとれたら冷蔵庫で保存する。1か月ほど日持ちする。
濃い緑茶
食前、食中に飲むことで食べすぎの防止につながる。また緑茶に含まれる茶カテキンには抗酸化作用、脂肪燃焼効果があり、美肌に欠かせないビタミンCや、リラックス効果のあるGABA、テアニンも同時にとれる。1回の食事で150ml、1日トータルで1Lが目安。
飲み方のポイント
・1日かけてこまめに飲む
緑茶の利尿作用で、飲んでも数時間で排出されてしまう。こまめな摂取を心がけて。
・濃い緑茶を選ぶ
複数のお茶をブレンドしたものではなく、カテキン成分の多い濃い緑茶を。
・食前に飲んで血糖値コントロール
食前に飲むことで、その後の食事で血糖値が急上昇するのを抑えられる。
教えてくれたのは……菊池真由子さん●管理栄養士。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、1万人以上の栄養指導に携わってきた若返りのプロフェッショナル。現在は厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。著書に『1週間で勝手に-10歳若返る体になるすごい方法』(日本文芸社)。
取材・文/井上真規子
11/10 07:00
週刊女性PRIME