《生鮭レシピ》ひと手間かけて美味しさアップ&臭みはオフ!和洋中で食べたい鮭料理

生鮭レシピ12選 撮影/廣瀬靖士

 暑さも落ち着いて、秋の味覚が恋しくなるこの時季。外せないのは旬を迎えてお値段もお手頃になる“生鮭”だ。

生鮭は塩をふってひと晩置くと美味!

9月から11月ごろにスーパーに並ぶ鮭は秋鮭といい、天然で国産の新鮮な生鮭が安価で出回るのはこのシーズンだけ。脂分が控えめでさっぱりとした味わいが特徴で、和、洋、中、どんな味つけとも相性がいいんです

 と話すのは、魚料理に詳しい、料理家のダンノマリコさん。

生鮭は塩をふってひと晩置くだけで、臭みのもとになる水分が抜けておいしくなりますよ。旬の魚は手頃な価格なので、安い時に買って下処理をして冷凍しても。乾燥しないようにひと切れずつぴっちりとラップで包んで、冷凍できる密閉の保存容器に入れて、2週間くらいで食べきるのがベストです

 使うときは冷蔵室で自然解凍するのがおすすめ。また、新鮮な鮭は皮が銀色に光っていて身はふっくらとしたハリがあるのでチェックを。

生鮭をおいしくする裏ワザ

 このひと手間で激ウマ!

塩をふってひと晩置くと、臭みのもとになる水分が抜けます。買ってきたらすぐに処理するのがポイント。使用する塩は、サラサラしている精製塩か焼き塩がおすすめ。

 切り身に均等にふりやすいので水分がムラなく出やすいです。焼き塩は粗塩の水分をとばしたもので、精製塩よりもミネラルが豊富なものが多く、まろやかなのが特徴。ご自宅でも作れます」(ダンノさん)

(1)生鮭の切り身はキッチンペーパーでしっかりと水けをふく。

(2)バットに塩(鮭の切り身2切れ約160gに小さじ1/4程度)を均等にふってから、鮭の切り身を並べる。バットに塩をふることで、鮭を裏返す手間を省ける。

(3)切り身の上から、(2)と同量の塩を均等にふる。

(4)ラップをかけて冷蔵室でひと晩置く。調理するときに出てきた水分を軽くふく。

自家製焼き塩の作り方

 市販品を利用すると手軽だが、なければ粗塩をからいりしても簡単に作れる。

【作り方】フライパンに粗塩を入れて弱火にかけ、固まりはヘラでつぶし、サラサラするまでからいりする。

鮭のムニエル きのこのガーリックバターソース

 定番のムニエルはコクうまなソースをかけて♪

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・小麦粉……適量
・しめじ……大1パック
・パプリカ(赤)……1/2個
・にんにく……2片
・バター……30g
・白ワイン……40ml
・塩、黒こしょう……各適量
・サラダ油……大さじ1

【作り方】

(1)しめじは石づきを落としてほぐす。パプリカは小さめの乱切りに、にんにくは薄切りにする。

(2)フライパンにサラダ油を中火で熱し、小麦粉をまぶした鮭を皮目が下になるように入れ、最初はフライ返しで押さえながら焼き、皮に軽く焼き色がついたら少し火を弱めて3〜5分焼く。

(3)鮭に7~8割火が通ったら(a)、裏返してごく弱火で中心まで火が通るように2〜3分焼き、器に盛る。

(4)フライパンの油をふき、(1)を重ならないように入れ、バターを加えて中火にかける。香ばしい色になるまでときどき上下を返しながら焼き、白ワインを加えて1〜2分混ぜながら軽く煮る(水分が少なくなったら水適量を足す)。

(5)塩、黒こしょうで味をととのえ、具材を(3)に盛り、フライパンに残ったソースをかける。

(a)皮から1.5cmほど白っぽくなるまで焼いてから裏返すと、身に程よく火が入ってふっくら仕上がる。ムニエルは皮目の幅が広めの切り身を使うのがおすすめ。

鮭の揚げ焼き南蛮だれ

 甘辛だれが染み込んで翌日もおいしい!

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・片栗粉…適量
・エリンギ……3本
A〔玉ねぎ(薄切り)…1/2個分、にんじん(せん切り)…1/4本分、しょうが(せん切り)…薄切り3~4枚分、ポン酢…大さじ3、砂糖…大さじ1/2、豆板醤…小さじ1/2〕
・サラダ油……大さじ4〜5
・万能ねぎ(斜め切り)……適量

【作り方】

(1)Aは混ぜ合わせておく。

(2)鮭は半分に切って片栗粉をしっかりとまぶす。エリンギは縦半分に切る(大きいものは長さを半分にする)。

(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、(2)を並べ入れる。こんがりと焼き色がついたら裏返し、全体を色よく揚げ焼きにし、油をきる。

(4)器に盛り、(1)をかけて万能ねぎをのせる。

鮭のカレー風味焼き

 隠し味のヨーグルトでしっとり食感に

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
A〔無糖ヨーグルト…大さじ2、カレー粉、おろししょうが…各大さじ1/2、おろしにんにく…大さじ1/4〕
・さつまいも……小1本
・れんこん……小1節
・いんげん……8本
・塩……適量
・サラダ油……大さじ2〜3

【作り方】

(1)鮭は3等分に切り、Aをからめて10分以上置く。

(2)さつまいも、れんこんはそれぞれラップに包み、電子レンジ(600W)で3〜4分加熱して、5mm厚さの輪切りにする。いんげんは4cm長さに切る。

(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、(2)を入れて全体に焼き色がつくまで焼き、器に盛って塩をふる。

(4)(3)のフライパンに(1)を並べ入れ、焦げないように弱火で両面を10分ほど焼き、(3)の上に盛る。

鮭のサンドイッチ

 白米だけじゃない!程よい塩けがパンとも合う

材料(2人分)
・鮭のムニエル……2切れ
・トマト……小1個
・レタス……適量
・玉ねぎ……小1/4個
・マヨネーズ……大さじ1
・お好みのパン……2個

【作り方】

(1)鮭のムニエルは皮と骨をとる。トマトは8mm厚さの半月切りにし、レタスは手でちぎる。

(2)玉ねぎは粗みじん切りにしてボウルに入れ、マヨネーズを加えてからめる。

(3)パンに切り込みを入れ、(1)を挟み、(2)をたっぷりとかける。

鮭のアクアパッツァ

 あさりと野菜のうまみが染みこんだ

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・あさり(砂抜き済み)……100g
・玉ねぎ……小1個
・まいたけ……1パック
・ミニトマト……8個
・おろしにんにく……小さじ1
・オリーブオイル……大さじ2
・黒こしょう……適量

【作り方】

(1)あさりは殻をこすり合わせて洗う。玉ねぎは5mm厚さの輪切りにし、まいたけは大きめにほぐす。

(2)フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、鮭の皮目が下になるように入れ、皮に焼き色がつくまで焼く(a)。

(3) (2)の鮭の下に玉ねぎを敷き、あさり、まいたけ、ミニトマト、おろしにんにく、水200ml(分量外)を加えて強火にかけ、沸騰したらふたをして、あさりの口が開くまで3~4分煮る。味をみて塩けが足りなければ塩適量(分量外)を足す。

(4)器に盛り、黒こしょうをふる。

(a)皮は香ばしく焼くと臭みなく仕上がる。焼いたあとに煮るので、ここでは裏返さずに皮を焼くだけでOK

鮭のスイートチリソース

 ピリッと辛いエスニック風味でご飯が進む

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・片栗粉……適量
・リーフレタス……6~8枚
・もやし……40g
・きゅうり(せん切り)……1/2本分
A〔米酢…大さじ2、砂糖…大さじ1、豆板醤…約小さじ1(好みで調整)〕
・サラダ油……大さじ3

【作り方】

(1)Aはボウルに合わせておく。

(2)鮭は3~4等分に切り、片栗粉をしっかりとまぶす。

(3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、(2)を並べ入れる。表面がカリッとして焼き色がついたら裏返し、全体を色よく揚げ焼きにし、油をきって(1)に加えてからめる。

(4)器に(3)、レタス、熱湯にくぐらせて水けをきったもやし、きゅうりを盛る。

鮭とねぎのオイスター風味焼きそば

 長ねぎのシャキシャキ感を残すのがポイント

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・長ねぎ……1本
・パプリカ(黄)……1/2個
・焼きそば麺……2玉
・しょうが(薄切り)……4~5枚
・酒……大さじ1/2
A〔オイスターソース…大さじ2、酒…大さじ1、砂糖…大さじ1/2〕
・ごま油……大さじ2

【作り方】

(1)長ねぎは斜め薄切りに、パプリカは細切りにする。

(2)焼きそば麺は袋の表示どおりに電子レンジで温める。

(3)フライパンにごま油を中火で熱し、(2)を広げ入れる。鮭、パプリカ、しょうがをのせて酒を回し入れ、ふたをして4〜5分蒸し焼きにする。

(4)鮭に火が通ったら皮と骨をとって大きくほぐし、Aを加えて炒め、最後に長ねぎを加えて混ぜ合わせる。

鮭とたっぷり野菜のみそ汁

 ゴロッと具材で大満足の漁師風みそ汁

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・玉ねぎ……1/2個
・にんじん……1/4本
・キャベツ……1/8個
・ごぼう……15cm
・みそ……大さじ1
・おろししょうが……適量
・塩昆布……2つまみ

【作り方】

(1)鮭は4〜5等分に切る。

(2)玉ねぎはくし形切りに、にんじんは半月切りに、キャベツはざく切りにする。ごぼうは包丁の背で皮をこそげて縦半分に切ってから斜め切りにする。

(3)鍋に玉ねぎ、にんじん、ごぼう、水500ml(分量外)を入れて中火にかける。野菜がやわらかくなってきたらみそ、キャベツ、(1)を加え、アクをとりながら2〜3分煮る。

(4)器に盛り、おろししょうがと塩昆布をのせ、混ぜながら食べる。

鮭と高菜の混ぜご飯

 炊いたご飯に混ぜるだけ

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……1切れ
・塩……少々
・高菜漬け(刻んだもの)……30g
・温かいご飯……茶碗2杯分
・焼きのり(好みで)……適量
・ごま油(好みで)……少々

【作り方】

(1)鍋に湯を沸かし、塩を加えて鮭を入れ、ごく弱火で5分ゆでる。火を止めてそのまま冷まし、皮と骨をとり、ほぐす。

(2)ボウルにご飯、(1)、高菜漬けを合わせて混ぜる。器に盛り、お好みでちぎったのりとごま油をかける。

鮭とレモンの冷製パスタ

 レモンの酸味でさっぱりと

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……2切れ
・トマト……小1個
・きゅうり……1/2本 
・玉ねぎ……1/4個
・オリーブオイル……大さじ2
・スパゲティ……160g
・レモン汁……大さじ1/2
・塩、黒こしょう……各適量
・レモン(輪切り/好みで)……2枚

【作り方】

(1)鍋に湯を沸かし、塩少々を加えて鮭を入れ(a)、ごく弱火で5分ゆでる。火を止めてそのまま冷まし、皮と骨をとる。

(2)トマトはざく切りに、きゅうりと玉ねぎは5mm角に切り、塩ひとつまみをまぶす。

(3)ボウルに(1)、(2)、オリーブオイルを合わせ、鮭をほぐしながらしっかりと混ぜる。

(4)スパゲティは袋の表示どおりにゆで、冷水にとって水けをきる。(3)に加えてあえ、塩、黒こしょう、レモン汁で味をととのえる。

(5)器に盛り、お好みでレモンを添える。

(a)塩をふってひと晩置いた鮭は塩水でゆでると塩分の抜けすぎを防げる。ゆでた鮭は冷ややっこやサラダ、混ぜご飯の具材にしても。ごく弱火でゆでるとしっとり仕上がる。

鮭と卵のポテトサラダ

 マスタードがきいた大人味

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……1切れ
・塩……少々
・じゃがいも……大1個 
・ゆで卵……2個 
・玉ねぎ……1/4個
A〔マヨネーズ…大さじ3、マスタード(練りがらしでも可)…小さじ1/2〕
・牛乳……大さじ2〜3
・塩、黒こしょう……各適量

【作り方】

(1)鍋に湯を沸かし、塩を加えて鮭を入れ、ごく弱火で5分ゆでる。火を止めてそのまま冷まし、皮と骨をとる。玉ねぎは横半分に切ってから縦に薄切りにする。

(2)じゃがいもは洗って皮ごとラップに包み、耐熱皿にのせて電子レンジ(600W)で3分加熱し、上下を返してさらに1分加熱する。

(3)熱いうちに(2)の皮をむき、ボウルに入れてつぶし、Aを加えて混ぜる。牛乳を加えて好みのやわらかさに調節し、塩、黒こしょうで味をととのえる。

(4)(1)とゆで卵を加え、鮭と卵を大きくほぐしながら軽く混ぜ合わせる。

鮭と香味野菜の冷ややっこ

 いつもの冷ややっこが旬の味わいに

材料(2人分)
・ふり塩をした鮭……1切れ
・塩……少々
・木綿豆腐……1丁(300g)
・みょうが……1本
・青じそ……2枚
・めんつゆ(ストレート/好みで)……適量

【作り方】

(1)鍋に湯を沸かし、塩を加えて鮭を入れ、ごく弱火で5分ゆでる。火を止めてそのまま冷まし、皮と骨をとり、ほぐす。

(2)みょうがと青じそはせん切りにする。

(3)豆腐は4等分に切り、器に盛って(1)、(2)をのせ、お好みでめんつゆをかけて食べる。

教えてくれたのは……ダンノマリコさん●フードスタイリスト、栄養士。書籍などのレシピ制作やスタイリングを手がけるほか、魚の魅力を伝えるワークショップ「ミナトゴハン」を主宰。著書に『スーパーのお魚で!港町の漁師飯』(春陽堂書店)など。


レシピ考案・調理・スタイリング/ダンノマリコ 調理アシスタント/岩嵜由美 撮影/廣瀬靖士 取材・文/草柳麻子 撮影協力/UTUWA

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