期日前投票、東京・杉並で入場券の配布間に合わず名簿と照合…短い準備期間で全国スタート

 衆院選(27日投開票)と最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票が16日、始まった。秋の行楽シーズンに入り、投開票日に予定がある人も多いと予想されることから、総務省や各自治体は活用を呼びかけている。

衆院選が公示され、開設された期日前投票所(16日午前、東京都杉並区で)=帖地洸平撮影

 期日前投票は、仕事や旅行、レジャー、冠婚葬祭などの予定で当日に投票できない人が利用できる制度。2021年前回衆院選の投票率は55・93%だったが、期日前の投票率は19・54%に上った。全体の投票者約5890万人のうち、およそ35%が利用しており、05年の制度導入以来、回を追うごとに利用者は増加傾向にある。

 前回選では全国5940か所に期日前投票所が設けられ、役所の庁舎など公共施設や駅構内のほか、大学やショッピングセンターなど利用しやすいところに設置場所は拡大している。

 期日前投票の利用は原則、26日までで、午前8時半~午後8時の開場となっているが、投票所によっては時間が異なる場合もある。

 東京都杉並区では、16日午前8時半から区役所の会議室に投票所が設けられた。同区では、公示までの準備期間が短かった影響で、「投票所入場券」の配布が間に合わなかった。通常は入場券に記載されたバーコードを読み取って本人確認を行っているが、この日は、来場者に書いてもらった氏名を担当者が選挙人名簿と照合し、投票用紙を手渡していた。

 区選管によると、初日朝の人出は過去の衆院選に比べて少なめという。入場券がなくても本人確認できれば投票は可能なため、区は広報紙などで期日前投票の利用を呼びかけている。投票に訪れた主婦(51)は「選挙が始まったのに入場券が届かずびっくりした。受付での確認に時間がかかったが、無事投票できてよかった」と話していた。

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