維新、政治改革巡り新体制の立民に秋波 野田佳彦氏の代表就任で「共通点は多い」

立憲民主党の野田佳彦代表の就任を機に、日本維新の会が政治改革を巡る両党の連携の可能性を探っている。野田氏は党代表選で政治改革推進を強く訴えた経緯があり、代表就任によって協力の機運が高まったと判断した。野党第一党である立民との接近を演出することで、国会対応で与党を牽制しやすい環境を整える狙いもあるようだ。

「共通点は多いし、一緒にやれるところもある」

維新の遠藤敬国対委員長は24日、国会内で記者団にこう語り、野田氏の代表就任を歓迎した。

また、立憲民主党などとの共同提出を目指して、政策活動費や企業・団体献金の禁止を盛り込んだ政治資金規正法改正案を10月1日召集の臨時国会に提出する方針を明らかにした。

野党第一党の立民と第二党の維新の関係にきしみが生じた場合、国会での攻防の際に与党につけ込む隙を与えやすい。遠藤氏は、野党の連携が不十分だと与党に緊張感を与えることができないと主張した上で「一致点を見いだして一緒に戦っていく」と強調した。

野田氏は、馬場伸幸代表や遠藤氏ら維新幹部と定期的に会食して意見交換を重ねる間柄で、立民代表選で争った4候補の中では最も維新に近い。8月には、維新が国会内で開いた政治改革に関する勉強会に講師として参加した。

共同提出を目指す改正案は、勉強会で野田氏が訴えた内容を下敷きにしてまとめている。維新側は24日、新執行部発足のあいさつに野田氏らが国会内の控室に訪れた際、改正案の共同提出を呼び掛けた。

もっとも、野田氏が念頭に置く国政選挙での両党の候補者調整に関しては、維新は消極的な立場だ。馬場氏は、野田氏の代表選勝利を受けて23日に発表した談話でも「総選挙に互いに全力でぶつかっていく」と表明した。

ただ、この発信を巡り、立民との協調を志向する維新の一部若手らは不安の声を漏らしている。共同提出呼び掛けの背景には、立民との良好な関係を演出する必要に迫られているという事情もあるようだ。(松本学)

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