小泉進次郎氏の選択的夫婦別姓導入法案、党議拘束なき閣法に異論も「自民のやり方崩れる」

自民党総裁選(27日投開票)に立候補した小泉進次郎元環境相(43)が選択的夫婦別姓の導入法案を政府提出法案として「1年以内」に国会提出する方針を掲げている。採決の際は「価値観や家族観が問われる問題」(小泉氏)のため、所属議員に賛成を義務付ける「党議拘束」はかけないという。一方、国会提出に先駆けた党内了承や閣議決定は全員一致が求められ、他候補からはガバナンス(組織統治)上、問題が生じる可能性が指摘されている。

「自民党のやり方が崩れかねない。少なくとも政府提出法案で出す限りは、党がOKしなければ出せない。これを堅持することは、われわれがこれまで紡いできた自民党の歴史だ」

加藤勝信氏は20日、産経新聞のインタビューに応じ、選択的夫婦別姓の導入に意欲を示す小泉氏の「手法」に関して、こう懐疑的な見方を示した。

小泉氏は同法案について、「党内の賛否もある。1人1人が判断してもらえればいい」と述べ、採決は自主投票とする考えを繰り返している。

政府提出法案は与党審査や閣議決定を経て国会に提出される。党議拘束をかけない政府提出法案の存在は、与党審査を有名無実化させかねない。

加藤氏は、政府提出法案について「党内で侃々諤々(かんかんがくがく)議論し、納得し、本会議でみんな賛成票を入れ、入れない議員は処分されてきた歴史がある」と述べ、「政府が勝手にやるなら与党も勝手にやっていいのか(となる)。まさにガバナンスの問題だ」と自主投票に改めて疑問を呈した。

選択的夫婦別姓の導入について世論の意見集約も難航しており、閣議決定にサインしない閣僚が現れると、小泉氏も罷免を余儀なくされる。

さらに法案準備の猶予を考えれば、提出は来年1月召集の通常国会となる公算が大きい。党中堅議員は「来年7月に参院選を控え、国を二分するようなテーマをやれるわけがない」と突き放す。(奥原慎平)

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