刺殺された邦人男児に哀悼、秋葉原で自民総裁候補 中国当局に再発防止徹底と真相究明要求

中国広東省深圳市で男に刺された日本人小学生の男児(10)が死亡した19日に東京・秋葉原で行われた自民党総裁選(27日投開票)の街頭演説では、マイクを握った候補者が男児に対する哀悼とともに、中国当局に再発防止と事件の背景を含めた全容解明と詳細情報の共有を求める声が相次いだ。首相に就任した際には、中国の在外邦人の安全の徹底を図る考えを各候補が強調した形となる。

加藤氏「真相究明を」

「悲しい残念なニュースが飛び込んだ。心からご冥福とご家族へのお見舞いを申し上げたい」

トップバッターに立った加藤勝信元官房長官(68)は冒頭、犠牲になった男児に対する哀悼の言葉を口にし、「政府は断固として中国政府に対し、真相の究明と説明、こうした事件が二度と起きない再発防止を断固求めるべきだ」と語った。

石破氏「中国は偶発的事件で対応」

石破茂元幹事長(67)も「ご家族の気持ちを思うと、どんなに悲しいか、悔しいか、皆さまと心から哀悼の誠をささげたい」と述べ、遺族の気持ちに寄り添う姿勢を示した。

6月にも中国江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った中国人の暴漢に襲われ、バスを待っていた日本人の母と男児がけがをした。この事件を巡っては、バスに乗り込もうとした暴漢を阻んだバス案内係の中国人女性、胡友平さんが亡くなっている。

石破氏は「こういうことが二度とないよう、中国に対し厳正な対処をわれわれは要請した。しかし中国は偶発的な事件として片付けようとしていたのではないか。毅然と中国に対して対処を要求していかないといけない」と強調した。

茂木氏「外務省予算は十分か」

茂木敏充幹事長(68)も中国当局に徹底捜査を求める考えを示した上で、「邦人の命は世界中どこででも、日本政府が守らないといけない」と言及した。

外務省は令和7年度予算案の概算要求で、中国の日本人学校でのスクールバスの警備費に約3億5000万円を計上した。初めての予算措置で、バス1台に警備員1人を配置する計画だという。

ただ、茂木氏は予算額が不十分との認識を示し、「子供の命はかけがえない。1人の警備員で本当に十分なのか検証し、体制強化を図っていきたい」と述べた。

高市氏「反スパイ法の詳細説明を」

高市早苗経済安全保障担当相(63)は、憤懣やるかたない様子で、「皆さま、中国当局に対し、計り知れないほどの怒りを感じていると思う。私も同じだ。いい加減にしてほしい」と述べた上で、「容疑者が逮捕されてから何の背景が説明されたか。かけがえのないわが子を失ったご家族のお気持ちを思うと、悔しくてならない」と語った。

昨年7月に中国で施行されたスパイ取り締まりを強化する改正スパイ法を挙げて、「『反スパイ法』だって許せない。拘束されている日本人を一刻も早く解放して。訳の分からない法律の詳細を国際社会に対して説明してほしい」と語った。

林氏「ぐっと腹にため事に当たる」

林芳正官房長官(63)は、「一体どうなっているのか。ご家族に思いをいたすと、子を持つ親としていたたまれない。この気持ちをぐっと腹にため、全身全霊で事に当たっていきたい」と語った。

小泉氏「自分の子供が失われたよう」

小泉進次郎元環境相(43)は、「自分の子供が失われたような気持ちで、思いを共有しているのは、全ての皆さんが同じ気持ちだと思う。中国に直ちに説明を求め、今回の事件の動機は何か、厳正なる対処を求めたい」と語った。

上川氏「卑劣な犯罪許さない」

上川陽子外相(71)は、「心が震える思いだ。子供の未来、夢や希望のある小さな幼子が命を絶たれた。卑劣な犯罪を断じて許すわけにいかない」と述べ、「中国に対し、事実の解明と説明をしっかり求めていく。子供たちの命を守るために、安全対策を含めてしっかりと求めていく」と現職の外相として対応していく考えを示した。

河野氏「日本人家族へ帰国促す前に中国は対応を」

河野太郎デジタル相(61)と小林鷹之前経済安保相(49)は演説では事件に言及しなかった。河野氏は(旧ツイッター)で「中国国内の日本人家族の帰国を促さなければならないようなことになる前に、中国当局にはしっかりとした対応を求める」と投稿した。

小林氏「日本人の安全確保に万全期す」

小林氏もXで「子を持つ親として、親御さまの悲しみを思うと胸が張り裂けそうな思いです」と書き込み、「私が総理総裁になれば、スクールバスの警備費増強など、日本人学校の警備体制強化や日本人の安全確保に万全を期してまいります」と強調した。(奥原慎平)


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