立民・共産、冷え込む関係 代表選での関係見直し論が契機 小池晃氏「共闘基盤が壊れる」

立憲民主党代表選(23日投開票)を契機として、国政選挙で連携してきた立民と共産党の関係が冷え込みつつある。代表選の主軸候補である野田佳彦元首相(67)や枝野幸男前代表(60)が、関係の見直しを示唆する発言を重ねているためだ。共産は1月の党大会で、立民などを念頭に野党共闘の「再構築」を目指すと打ち出したが、その実現に向けたトーンはにわかに下がっている。

相手が消極的なら難しい

共産の小池晃書記局長は17日の記者会見で、共闘再構築の方針について「最後まで可能性は追求したい」と前置きした後、「しかし」と言葉を続けた。

「相手が消極的に、あるいは否定的になってくるなら、こちらがいくら努力をしても難しい状況になっていく」

念頭にあるのは代表選での議論にほかならない。野田氏や枝野氏は、次期衆院選で共産と候補をすみ分ける余地こそ否定していないが、政党間の正式な合意に基づく「選挙協力」には後ろ向きだ。

枝野氏は「特定の政党と全国一律で協力関係を結ぶのではなく、今の自民党にあきれ怒っている皆さんを含め、より幅広い民意を包み込む」と主張する。派閥政治資金パーティー収入不記載事件をきっかけに自民に失望した保守・中道層に支持を広げようという狙いだ。野田氏も「党のコアの支持層を固めるだけでは政権は取れない」と訴える。

「裏金議員」落とせばいいのか

共産は安全保障関連法廃止を野党共闘の「一丁目一番地」と位置づけており、この点でも、現実的な安保政策を標榜する野田氏や枝野氏との間には溝がある。

小池氏は会見で、安保関連法を巡り野田氏が「一定の継続は前提にならざるを得ない」と発言したことを踏まえ、「廃止を『しない』『すぐにはしない』となると共闘の基盤が壊れてしまう」と指摘した。その上で、次期衆院選では「共産の議席を増やすことを最優先の課題として取り組む」と強調した。

一方、野田、枝野両氏と泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の代表選4候補は、不記載のあった自民衆院議員への対抗馬擁立に関しては、共産を含む枠組みの連携に前向きな姿勢を示している。

ただし、共産の反応は冷ややかだ。小池氏は「『裏金議員を落とそう』と協力するのは大事なことだ」としながらも、「そこだけで一致すればいいのか、ということは問われる」と距離感をにじませた。(松本学)

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