憲法改正「否決の可能性あっても国民投票の機会持つ」小泉進次郎氏インタビュー、一問一答

自民党総裁選(27日投開票)に立候補した小泉進次郎元環境相(43)が産経新聞のインタビューに応じ、安定的な皇位継承や北朝鮮による日本人拉致問題などについて述べた。主なやり取りは次の通り。

――総裁選出馬を決めた理由は

「2児の父になって、将来、子供たちの世の中がどうなるのか、ここに思いが向いた。今の政治のやり方では世の中のスピードに追いついていない。政策の強度を圧倒的に変えていくのは首相にしかできない」

――安定的な皇位継承策に関する考え方は

「皇室の伝統を踏まえれば、(過去に例のない)『女系天皇』には反対だ。(伝統的な男系継承を尊重する)政府有識者会議の報告書と党が整理した基本的考え方に基づく対応をしていきたい」

――北朝鮮による拉致問題の解決にはどう向き合うか。訪朝も選択肢か

「もちろんだ。最終的にはトップ同士で会わない限り拉致問題の打開はない。(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党総書記とは)父親同士が会った歴史がある。今までのアプローチにとらわれず、前提条件は付けずに、新たな対応の場を模索したい」

――首相に就任後も、靖国神社への参拝は続けるか

「どこの国であっても国のために戦い、命をささげた方々に対して、尊崇の念を表するのは当然のことだ。今まで毎年、靖国参拝を続けてきた。首相になってからのことは適切に判断したい」

――憲法改正の国民投票について

「一度も国民に問う機会を持たないことを続けるのは良くない。憲法に自衛隊を書くのを国民が本当に駄目だと言うか。たとえ否決される可能性があっても(国民投票の)機会を持ちたい」

――中国との関係をどうするか

「中国を抑止するため、日本独自の防衛力を整備していくことに加え、揺るぎない日米関係を見せつける。その上で、東京電力福島第1原発処理水に対する中国の非科学的な対応や、風評被害の決着にも全力で取り組んでいきたい」

――解雇規制の見直しを掲げている

「今は40年以上前にできた判例に基づくルールを続けている。私が言っている解雇規制の見直しは[『現代化』みたいなものだ。誰もがリスキリング(学び直し)の機会を受けられるようにして、転職市場につなぐインフラをつくる。1人もおろそかにできない人手不足に対応していく」

――(党内に反対論もある)選択的夫婦別姓制度について

「私の保守観は、寛容な包容力ある保守だ。別姓を求める人に選択肢を用意することで誰かの権利が奪われるのか。首相になったら、30年議論を続けて答えを出さずにきた選択的夫婦別姓の導入法案を国会に提出したい。価値観、家族観が問われる問題なので党議拘束はかけない」

――同法案と同時に旧姓の通称使用拡大に向けた法案を国会で採決する可能性はあるか

「さまざまなケースは現時点で否定することはない」

――「政治とカネ」の問題で党への不信感が生じた

「野党は岸田文雄首相に『衆院を解散しろ』と言ってきたが、(最近は)『解散をするのは逃げだ』と。完全に政治的思惑だ。解散は野党の立場からすれば『政権交代のチャンスが来た』というのが普通だ」

――衆院解散の時期について

「現時点では『できるだけ早期に』ということに尽きる。自民は史上最長の総裁選をやり、立憲民主党も代表選をやっている。国民の判断材料になるのではないか」 (聞き手 竹之内秀介、水内茂幸)

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