自民総裁選候補共同会見 9氏は男系継承重視 石破氏は「女系天皇」含み

13日に行われた自民党総裁選の立候補者9人による共同記者会見では安定的な皇位継承への対応が論点になった。保守政党として真価が問われるテーマでもあり、9氏は伝統的な男系継承の重要性に言及している。ただ、石破茂元幹事長は過去に例がない「女系天皇」を選択肢から排除しない構えも示している。

「126代にわたり男系で続いてきた皇統を守ることは私たちの責任であり、未来に生きる人たちへの責任でもある。日本にしかない宝物だ」

高市早苗経済安全保障担当相は13日の共同記者会見で、男系継承を堅持する考えを強調した。旧皇族の男系男子を養子縁組で皇室に復帰させる案を「最も希望している」とも語った。

小林鷹之前経済安保担当相も「126代の皇統は日本の国柄だ。皇統を守っていく前提に立って静謐な環境のもとで与野党協議を進めていく」と力説した。

政府の有識者会議は令和3年の報告書で、養子縁組による旧皇族の男系男子の復帰案などを打ち出した。自民はこの報告書を高く評価。現在は衆参両院正副議長の下、立法府の見解をまとめるための協議が続いている。

小泉進次郎元環境相らも共同会見で、男系継承の重要性を前面に打ち出した報告書を尊重する意向を示した。茂木敏充幹事長は「(秋篠宮ご夫妻の長男の)悠仁親王殿下次代以降も皇統に属する男系男子を前提に議論を深めていく」と訴えた。

一方、石破氏は「皇位が安定的に継承されることは極めて重要だ」と述べた。12日のフジテレビ番組では、小林氏から「『女系天皇』を容認しないと受け止めていいのか」と確認された際、「大事なのは、いかにして国民統合の象徴の皇室をお守りしていくかだ」と述べるにとどめた。

今後、小泉氏ら複数の候補が主張する選択的夫婦別姓制度に絡めて皇位継承が「個人の選択」や「男女平等論」の観点から議論される懸念もある。

日本維新の会を創設した弁護士の橋下徹氏は同番組で、小泉氏に「個人の選択肢を広めるために選択的夫婦別姓(が必要)だというが、皇室の男系男子についてはどのようにお考えか」と質問をなげかけた。小泉氏は「自民の考えを踏襲すべきだ」と答えるにとどめた。(内藤慎二)

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