立民代表選、4候補の全国遊説が終盤 「地方票」獲得へ訴え 23日投開票

立憲民主党代表選(23日投開票)の4候補による全国遊説は15日、日程の終盤に入り、宇都宮市と仙台市で演説会や討論会が行われた。代表選では、有権者の投じた票がポイントに換算されて勝敗が決まり、合計ポイントの半分は地方議員と党員・協力党員で占められる。4候補は、情勢を大きく左右する「地方票」の獲得に向けて訴えに力を込めた。

党は代表選の遊説を全国11カ所で計画し、14日までに大阪市や名古屋市など7カ所で開催した。

15日に宇都宮市のJR宇都宮駅前で行われた演説会では、医療や教育、経済対策などを巡り4候補が主張を繰り広げた。

野田佳彦元首相(67)は、治療重視の医療から予防医療への転換を訴え「健康寿命を延ばす仕組みに変えなければならない」と強調した。将来世代への投資にも触れ「一番大きなテーマは教育無償化だ」と述べた。

枝野幸男前代表(60)は、社会保障などの支え合いを充実させる「人間中心の経済」の意義を改めて力説した。物価高対策などを巡り「ビジョンが自民党の9人の総裁候補からは聞こえてこない」とも指摘した。

泉健太代表(50)は、党勢浮揚を図ってきた約3年間の取り組みを紹介し「政権交代が視野に入ってきた」とアピールした。次期衆院選に関して「新しいフレーズで戦っても浸透はしない」と述べ、党運営の継続性が重要だと主張した。

吉田晴美衆院議員(52)は、持論である消費税の食料品非課税が「可処分所得を増やす特効薬になる」と呼び掛けた。また、所得によって「税の不均衡が起きている」と強調し、金融所得課税の強化を訴えた。

立民関係者の間では、代表選が自民党総裁選に埋没することを懸念する声もあるが、15日の演説会では、候補が演説を終えるたびに聴衆から掛け声が飛ぶなど、関心の高さもうかがわせた。特に、宇都宮市出身の枝野氏に対しては一段と大きな歓声が上がっていた。

16日は北海道、18日は東京都で、それぞれ演説会や討論会が予定されている。(深津響)

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