自衛官に規律と栄誉求める自民・石破茂氏 フリー記者は「観念的タカ派が一番危ない」

自民党総裁選(12日告示、27日投開票)に出馬表明した石破茂元幹事長(67)は10日、国会内で自身の政策に関する記者会見を開いた。自衛隊員の待遇について「最高の栄誉がなければ組織として成り立たない」と述べ、首相をトップとして、処遇改善に関する関係閣僚会議を早期に設置する考えを示した。

会見では、フリーランスの記者から、かつて石破氏が報道番組で「国防軍の出動命令に従わない者は軍法会議にかけて死刑にする」と語っていたとして、「首相になった場合、最前線に行かない国防軍の兵士を軍法会議にかけるのか」と問われる場面もあった。

石破氏は「ございません。最後の判決を下すのは最高裁だということを変えるつもりはない」と軍法会議の設置を否定した。その上で、自衛隊について「最大の実力集団で最も高い規律が要求され、それを持たなければ民主主義社会は崩壊する」「戦場の論理と一般社会の論理は違う。いかにして自衛官の権利を守っていくか」と述べ、特別法に基づく行政審判機関を念頭に「自衛隊審判所」の設置に言及した。

フリーランスの記者は納得がいかなかったのか、石破氏に対し「確かに安全保障の専門家だが、私のように実際の戦場を知っている者からすれば観念的タカ派だ。観念的タカ派が一番危ない。国家国民を危険にさらす。現実に即して考えるつもりはないか」と指摘され、石破氏は「ご指摘の点は不徳の致すところで申し訳ない。改めるべきは改める」と語っていた。

会見を巡っては、司会を務める赤沢亮正衆院議員が挙手した記者団を見渡して「全員に聞いてほしいので、1人2問のルールを守ってほしい」と訴え、長く答える傾向にある石破氏に対しても、「候補も極力簡潔に」と〝注文〟していた。




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