首相、8月にカザフスタンを訪問へ 地政学的要衝 国際秩序維持へ連携強化

林芳正官房長官は26日の記者会見で、岸田文雄首相が中央アジア5カ国との首脳会合に出席するため、8月にカザフスタンを訪問すると発表した。日本が5カ国との外相会合を2004年に始めてから今年が20年の節目に当たることから、初めて首脳会合を開く。首相は会合を通じ、自由や法の支配などの価値観を共有し、5カ国それぞれとの関係強化を図る考えだ。

林氏は会見で、5カ国との関係について「友好と相互信頼に基づくパートナーシップと互恵的協力を深化させている」と説明。ロシアのウクライナ侵略を受け「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持、強化するためにも中央アジア諸国との連携がこれまで以上に重要だ」と指摘し、「首脳会合を開催すべく、各国と調整を進めている」と述べた。

旧ソ連圏の中央アジアはロシアだけでなく、中国にも接している。中露双方がこの地域に対する影響力の確保に腐心しており、地政学的な重要性が高まっている。

5カ国は経済面でロシアと密接な関係にあるが、ウクライナ侵略を巡っては、ロシアを非難する22年3月の国連決議の採決を棄権または欠席するなど、中立的な立場を保っている。日本はこうした点でも、法の支配に基づく国際秩序を維持していく上でのパートナーとして5カ国を重視している。首相のカザフスタン訪問では、中央アジアの持続可能な発展に向けた協力を打ち出し、連携強化を進めるものとみられる。

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