立民、都知事選で与野党対決を演出 次期衆院選にらみ「国政と地続き」

20日に告示された東京都知事選で、立憲民主党は無所属新人の蓮舫氏を支援して「与野党対決」の構図の演出を狙う。善戦すれば次期衆院選への弾みになるとみて、与党の支援を受ける無所属現職、小池百合子氏を意識した戦いを展開する。

蓮舫氏陣営が20日午前に開いた選挙戦第一声の街頭演説会には、2日前まで所属した立民の「元同僚」が多数参加した。

長妻昭政調会長は、小池氏を支援する自民党都連の萩生田光一会長の名を挙げて「向こうは後ろに自民党がいる」と力を込め、辻元清美代表代行は「東京の政治と国政は地続きだ」と訴えた。

枝野幸男前代表も駆けつけ、現職に挑む戦いの厳しさに触れながら「一票一票の積み重ねがなければ壁を打ち破ることはできない」と強調した。

立民が都知事選に注力するのは、政権交代の地ならしになると読んでいるからだ。ある閣僚経験者は「政党色を薄めようという小池氏の思惑は見透かされている。有権者は『自民対立民』とみている」と手応えを語る。

懸念材料は、ともに蓮舫氏を支援する共産党との距離感だ。立民を支援する連合内には共産への接近を問題視する声も根強く、今後に禍根を残す可能性は否定できない。

第一声の演説会では共産関係者がマイクを握ることはなく、「立共共闘」批判を回避しようという狙いも透けた。(深津響)

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