兵庫知事が最後の登庁「任期満了まで仕事したかった」 失職は30日

30日の失職を前に最後の公務を終え、兵庫県庁を後にする斎藤元彦知事=2024年9月27日、兵庫県庁、石田貴子撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事は27日、失職前最後の登庁日を迎えた。県職員らに感謝と反省の念を伝え、報道陣の取材には「任期満了まで仕事をしたかった」と悔しさをにじませた。県議会で不信任決議が可決され、30日に自動失職して出直し知事選に臨む。

 午前10時過ぎに登庁し、取材に応じた。今の気持ちを聞かれ、「3年間全力で仕事をさせていただいた」と話した後、しばらく考えて、「失職という形になるが、自分としては任期満了まで仕事をしたかった」と語った。

 午後3時からは幹部が集まる政策会議で約30人を前に「心から感謝を申し上げる」などとあいさつした。また、「厳しい言い方で『なぜできないのか』と言ったことも、不快な思いをさせてしまったこともある。私は間違っていたと思うし、反省している」と述べた。

 斎藤氏は知事室の整理などをした後、午後6時前に県庁の玄関に姿を現した。待ち構えていたのは多くの報道陣で、職員らが見送るセレモニーはなかった。

 当面の間、知事が不在となることについて斎藤氏は「県民の皆さんに改めて、心からおわびを申し上げたい」と頭を下げた。そのうえで、「今回の文書の問題で良くなかったこと、ダメなところ、たくさんあると思うけれど、この3年間、自分なりに精いっぱいやってきた」と振り返った。

 最後に「色んな政策をやっていきたい。ぜひ県民のみなさんの力をいただいて県庁に戻ってきたい」と述べた。

 玄関から外へ出ると、振り返って頭を下げた。そして公用車に乗り込み、去っていった。

 斎藤氏は初当選した2021年、自身の任期中の知事退職金を5割削減した。斎藤氏の在職月数は38カ月で、退職金1603万9800円が10月末までに支払われる予定。(島脇健史、石田貴子)

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