兵庫知事の出直し選判断、市長会長「すみやかな辞職が筋道だった」

記者会見で口を真一文字に結ぶ兵庫県の斎藤元彦知事=2024年9月26日午後3時32分、神戸市中央区、白井伸洋撮影

 兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦知事が26日、失職して出直し知事選に立候補すると表明したことを受けて、県内の首長からは斎藤氏の政策や内部告発された問題への対応について厳しい指摘が飛んだ。

 神戸市の久元喜造市長は同日、定例会見で「県政の混乱が半年に及んだことは異例」とし、知事選へはこれまでの県政運営の総括なども必要だと注文を付けた。

 また、話は政策の評価に及んだ。斎藤氏が看板政策として掲げてきた県立大の無償化について「不適切な政策。自分のところの大学だけを考えるのではなく(県内にある)大学全体をどう考えていくのか。(政策を)やめていただきたい」と強い口調で語った。

 県内29市でつくる県市長会の会長を務める酒井隆明・丹波篠山市長は同日、報道陣の取材に応じ斎藤氏を批判した。進退表明が遅かったとして「県政の混乱、停滞の責任は斎藤知事にあり、県政、県民のことを大事に考えるならば、すみやかに辞職することが筋道だった」と語った。

 県市長会として懸念を示してきた少子高齢化・人口減少が進行するなかでの、子育てや教育施策の充実、若者の定着、地域医療の格差是正、農業や農村の振興、自然災害危機事案対応などを挙げ、「特に大切な施策の実現については、全く前に進んでいない」と述べた。

 県市長会は8月、県政の混乱を収拾するように求めるとともに内部告発した元西播磨県民局長=7月に死亡=を公益通報者として保護せず、懲戒処分としたことを「不適切」と指摘する要望書を斎藤氏に手渡していた。(杉山あかり、青木康行)

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