小林製薬「紅麹」問題 52社から原料を入手していた173社のうち1社は「取材の電話で初めて知った」

小林製薬の「紅麹」問題。

健康食品を摂取した1人が亡くなっていたことが新たにわかり、これで死亡が判明したのは5人。

社長は3月29日、「公表が遅れ反省している」と謝罪、東海地方の関係先も商品の回収や対応に追われています。

CBC

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小林製薬は「紅麹成分」を含むサプリメントを摂取し、新たに1人亡くなっていたと29日午前に発表。

死亡との因果関係は「調査中」としていますが、死亡した人はこれで5人になりました。

小林製薬と共同で紅麹の遺伝情報を解析した大学教授は、製造の過程で別のカビが偶然混入した可能性を指摘しました。

(奈良先端科学技術大学院大学 金谷重彦教授)
「ほかのカビが入ってきて一緒に培養されてしまって、違う毒素が出きるとか、悪影響が出るような混ざり方」

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こちらは、厚労省が28日発表した、小林製薬が直接紅麹原料を卸している52社のうちの1社、名古屋市中川区に本社がある「日本バイオコン」です。

食品の添加物や原料を取り扱っている商社で、小林製薬の紅麹の原料を海外に輸出していました。

29日午前中に話を聞くと…

(日本バイオコン 渡辺秀人社長)
「現地がパンク。パニックになっている。情報がないので何も対応ができない」

「日本バイオコン」では3月25日から海外の販売先への説明対応のほか、28日夕方に通知された厚労省への報告を、29日午後2時までに行わなければならないなど、対応に追われているということでした。

ただ、何がどうだめなのかよくわからない状況が続いていて、販売先も会社の中にも不安が広がっているということでした。

(日本バイオコン 渡辺秀人社長)
「情報をできるだけもらって、とにかく現地の安心安全を図ってもらいたい」

日本バイオコンは、小林製薬や行政からの正しい情報の伝達を期待していると話しました。

また、52社の会社などから原料を入手している企業173社も、28日発表されました。

そのうち、愛知県にある1社に28日に取材したところ、担当者は「CBCからの電話で初めて知った」「取引実績などがなく、今回の関与について把握していません」との回答。

リストに掲載されたことでその後、さまざま問い合わせの電話が入り、対応が続いているということです。

担当者は「なぜ名前があがっているのか、保健所に問い合わせる」と困惑の様子でした。

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(27日 徳田早穂記者)
「岐阜県池田町にあるこちらの工場では、紅麹の成分を含むサプリメントを製造しています」

こちらも173社のうちの1社です。

小林製薬が自主回収している「紅麹コレステヘルプ」は、岐阜県池田町の「アピ 池田工場」で製造されていて、3月26日には「西濃保健所揖斐センター」の職員2人が、製造方法や1日あたりの製造量などを調べました。

「アピ」は岐阜市に本社を置き、他社ブランドの健康食品や医薬品を製造するメーカーで「紅麹コレステヘルプ」は小林製薬から委託を受け、2020年から池田町の工場で製造していたということです。

このサプリメントの製造について「アピ」は、小林製薬から供給された原料を手順書に従って加工していて「衛生面や品質の管理に問題はなかった」と話しました。

また、健康被害は去年9月以降に製造されたものを摂取した人に偏っていますが、これまでに製造方法の変更などはなかったということです。

「アピ」は現在、保健所の指示を受け報告をまとめている段階で、「調査には協力していきたい」と話しています。

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