ワクチン接種6日後に死亡した男性  検視結果の開示はほとんど“黒塗り” 「夫はなぜ亡くなったのか」【大石が深掘り解説】

黒塗りの書類、いわゆる“海苔弁”。全部で36枚の書類のうち、白い部分以外の約8割が黒塗りなんです。一体これはなんの書類なのか。

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この書類を受け取った方は、北海道札幌市在住の40代女性です。この女性の夫がワクチン接種後に突然死しました。亡くなったのはご自宅だったので、警察が検視ししています。

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この女性は、亡くなった理由・死因を知りたくて、北海道警に行って検視結果を見せてもらおうとしました。しかし、そこで渡されたのは8割ほどが黒塗りになった書類。

「これでは何もわかりません。私は夫の死因を知りたいのに、なぜこうなってしまったのか」と遺族の妻は訴えています。

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経緯を見ていきましょう。

接種6日後に死亡した42歳の男性。この男性は2021年の10月15日、1回目のワクチン接種を行いました。ファイザー製でした。接種してすぐに副反応が出て腕が痛くなったといいます。そして熱が出て、最高38.5℃まで上がったそうです。

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3日間熱があるのは妻も確認していましたが、それ以降は夫も普通に仕事に行っていたということで、確認していないそうです。「熱が出た」などをあまり言うタイプではなかったと妻は話していました。

「息が苦しい」と訴える夫 ワクチン接種6日後に死亡

そして、ワクチン接種後6日目の真夜中午前2時半頃、妻は2階で寝ていたそうです。1階で物音がして、うめき声のようなものが聞こえたので、1階に下りてくると夫は倒れていました。口の中からで白い泡を吹き出しているような状況だったそうです。そして、血も吐いていたと。ただ、この血が吐血なのか、倒れた時に口の中を切ったのかは、わからなかったと言っていました。

救急車を呼んで、「息が苦しい、息が苦しい」というような話を夫はしていたそうです。そして、その後死亡が確認されました。ワクチン接種から6日後になります。

死因について医師と警察は「詳しくはわからない」と言っています。「ワクチンのせいかもしれないけども、違うかも知れない。ワクチンのせいと言える証拠がないので、詳しくはわからない」と言っていたそうです。

検視結果は「急性循環器系疾患」としています。何人かの医師に確認しましたが「死因としてはバクっとしていますね」という話をしていました。

「急性循環器系疾患」は心臓や血管に異変が起きたということなんですが、この急性循環器系疾患といわれるものは血性心疾患、狭心症、心筋梗塞、不整脈、大動脈瘤などありますが、特定できなかったので急性循環器系疾患となったのではないかと、ある医師の方は話しておりました。

妻は夫がなぜ亡くなったのかを詳しく知りたいということで、警察に行って検視結果を教えてくださいとお願いしました。そして、出された書類が先ほどの36枚。ほとんどが“黒塗り”のものです。

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そのうちの一部を見ると「検案医の意見」とあります。下には検案医の個人情報が書いてあったので、こちらは我々が消しました。

その下の黒塗りの部分は、警察が消したもの。いろんな意見が書いてあるんでしょう。

一番最後に「死因は急性循環器系疾患と推定される」とあります。

結論はあるんですが、そこに至る経緯、この検案医の意見が黒塗りになっているのでどんな内容なのかわからない。

別の書類も「結論」はあるものの…「経緯」は黒塗り

別の書類も見てみました。

「立会い医師等の意見等」と書いてあります。「死因は、急性循環器系疾患(推定)」と。「意見」の部分はほとんど黒塗りにされていて、一番最後の結びは、「急性循環器系疾患と推定される」と書いています。結論はありますが、それに至る経緯はやはり黒塗り。

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「これではわからない」と妻は嘆いています。

取材した時に、妻は「解剖しなかったことを後悔している」と言っていました。これは「解剖しますか?」と確認されたんですが、先方から「家に帰るのが遅くなりますよ」というようなことを言われたそうです。

妻は「家に帰ってくるのが遅くなるとなると、夫がかわいそうだな」と思ったそうです。そして、「亡くなった体を切り刻むようなことをしてしまうのは申し訳ない」と思って解剖はしなかったんですが、それを後悔しているということです。

なぜならば、亡くなった詳しい理由すらわからないから。

ワクチン接種後の死亡事例について、解剖の必要性を説いている団体があります。
「日本病理学会」「日本法医学会」「日本法医病理学会」の3つの団体です。

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この3団体は、厚生労働省にこのようなお願いをしています。

「接種数日後に死亡したケースに関して言えば、医学的情報を提供するため、積極的に解剖を推奨すべきだ」と。この申し入れを受けて、厚労省はどんな対応をしているのか。厚労省に聞いていました。

すると、厚労省はこれを受けて、各都道府県には伝えたそうです。つまりボールは各都道府県に投げられたということにはなります。しかし、いろんな遺族の方を取材しましたが、解剖が積極的に進められているかどうかという確認は、取れていません。積極的に解剖を推奨していれば、今回のような札幌に住むご遺族のようなことは、少しはなくなるのではと思っています。

これまでワクチン接種後に死亡したご遺族の方を取材しました。その中で、何人かのご遺族は「解剖すればよかった」と話していました。なぜならば、解剖しなかったせいで「なぜ亡くなったのか」とずっと思い悩まされると。「モヤモヤした気分がずっと続いてしまう。だから、解剖すればよかった」と言っていました。

積極的に解剖を推奨していれば、今回のこの札幌に住むご遺族のようなことは、少しはなくなるのではないかと思っています。

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