10歳未満の子どもも 新型コロナワクチンでの救済認定最新状況 認められた中には急性心筋炎や脳炎・てんかんなどの症例も【大石が深掘り解説】

2024年1月17日、愛知県の大村秀章知事は愛知県内は新型コロナが「第10波に入ったと言わざるを得ない」と会見でコメントしました。確かに東海地方では、岐阜県と愛知県で新型コロナの新規陽性者がぐっと増えてきました。

この感染が広がってくると「ワクチンを接種しようか」という方も出てくると思います。新型コロナワクチン総接種回数は、4億3411万回を超えました。

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最も多く打った方は高齢者になるかと思いますが、7回打っています。

接種後の「副反応疑い報告」は3万6714件で、このうち接種後の「死亡疑い報告」が2122件です。この中で「因果関係が否定できない」という事例はわずか2件。ほとんどが「評価不能」です。

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評価不能の理由は、厚労省は情報不足だと言っています。

さて「予防接種健康被害救済制度」というのがあります。これは、予防接種をした時に接種後から具合が悪くなって健康被害が出た場合は、国が救済しましょうというものです。

今まで新型コロナワクチンで受理された件数は9910件。ただ、救済制度を申請するのには大量の書類が必要で、人によっては1000枚以上の書類を集めないといけません。

体調が悪い中で、1000枚以上の書類を集めるのは本当に大変で、ハードルが高いんです。そのため、申請すらしていない人もたくさんいます。

受理件数は9910件あり、審査は7割以上終わっています。否認という評価が下った方もいますが、救済された方は5864件です。これは、受理件数の中で全体の6割ぐらいでかなり増えてきました。このうちの死者の救済認定は420件です。

この数字が多いのかどうかですが、予防接種健康被害救済制度の歴史は45年以上あり、対象となっているワクチンは、季節性のインフルエンザワクチンなど、全部で20種類以上あります。
その中で、新型コロナ以外で死者の救済認定がされたのは「151件」です。
新型コロナはわずか3年ほどで「420件」と3倍近い数字になってるんです。この数字をどう見るか。

20歳未満の主な事例 脳炎やてんかん発作、急性心筋炎も 

さて、この救済に関して最新情報があります。

「新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第一部会審議結果」。2024年1月15日、審議件数が今回は160件あり、認定が129件で多い方です。否認が29件となっています。保留は2件。

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今回高齢者の方はこの中にはいませんでした。10代までの主な事例を見ていきます。(年齢は接種時)

■9歳・男児
 ネフローゼ症候群・両高眼圧症・体幹四肢の発赤・色素沈着

・ネフローゼ症候群…尿にタンパクが多量に出て、血液中のタンパクが減ってしまったり、体にむくみが出たりする症状。場合によっては腎不全や血栓症に。血栓症になると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性も。

・両高眼圧症…両方の目の眼圧が急速に高まり、目が痛くなったり吐き気・頭痛がしたりという症状が出る。

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1人で何種類もの病や症状を抱えているというのは、ワクチン後遺症の特徴の一つです。

■17歳と18歳の時に接種・男性
 脳炎・てんかん発作

・脳炎…ワクチン接種後に発熱や頭痛、痙攣を引き起こしたりする症状
・てんかん発作…意識を失って痙攣を起こしたりする症状

■17歳・女性
 線維筋痛症の悪化

・繊維筋痛症…体の広い範囲に慢性的な痛みをきたす原因不明の疾患

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■15歳と16歳の時に接種・男性
 末梢神経障害・四肢や頭部のしびれ

■15歳・男性
 急性心筋炎

■18歳・男性
 急性心膜心筋炎

10代~20代前半の男性というのは心筋炎・心膜炎になりやすいと言われています。

■10歳・男児
 円形脱毛症の再燃

■6歳・男児
 多形滲出性紅斑

多形滲出性紅斑…皮膚に隆起した発疹ができる症状

■15歳・女性
 頭痛・腹痛・下痢・倦怠感・食欲低下・両手足のしびれ・脱力感・過敏性腸症候群

■17歳・女性
 両下肢脱力・全身倦怠感

■15歳・女性
 発熱・倦怠感・関節痛・両下肢痛しびれ・歩行障害・うつ状態

私がこれまで取材した方の中にも、精神状況まで悪化した方もいらっしゃいました。

■14歳・女性
 頭痛・視覚障害

■18歳・男性
 冠攣縮性狭心症
・冠動脈が痙攣を起こして収縮することによって一時的に狭窄、心臓の筋肉の血流が悪くなってしまう。血管が狭まり狭窄し、血液の流れが悪くなって、狭心症を引き起こす。

こういった症状で、10歳未満~10代の人が苦しんでいるということなんです。

ワクチン接種で“後遺症がなくなった”という報告はなし

では、何のためにワクチンを打つのかということですが、厚労省は感染予防はうたっていません。重症化予防をうたっています。ただ、重症化予防に関して言うと、データは厚労省は出していないんです。このデータを出してくれるといいんですが。

感染予防に関して言うと、ワクチンを接種しても感染はします。そういうデータも出ています。

やはり怖いのは新型コロナに感染した場合に、後遺症が長期にわたって残ってしまうという例が多数出ているんですが、これはワクチンを打ったから後遺症がなくなったというような報告は上がっておりません。そこの因果関係はわかっていません。

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今、ワクチンを打つかどうか悩んでいる方もいらっしゃると思います。年も明けて受験シーズンに入りました。この受験シーズンに入って新規陽性者の方が増えてくると、特に受験生の10代のお子さんやご両親は迷うと思うんですが、その際の判断材料にしていただければと思います。

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