《慣例を覆す“新しい天皇家”に向けて》愛子さま、卒業や就職に際して「上皇ご夫妻へのご挨拶なし」の緊迫

初出勤日にさっそく、配属先の部署で業務の説明を受けられたという(4月1日、東京・港区。撮影/JMPM)

《社会人としての責任感を持って、様々なことを身に付け、なるべく早くお役に立てるようになるよう精進したい》。ご就職に際しての文書に綴られた愛子さまのお言葉からは、皇族として、社会人として活躍される未来への期待感が伝わってくる。見据えられるのは、「皇室の明日」──。

【写真】手つなぎされる上皇さま・美智子さま。他、参道を歩かれる純白ローブ姿の愛子さま、スキーウエア姿の雅子さまも

 新しい年度が始まった4月1日、都心のオフィス街には、真新しいスーツに身を包み、緊張した面持ちの若者たちの姿が目立った。天皇家の長女・愛子さまもそのおひとり。日本赤十字社(日赤)の社員として第一歩を踏み出された。

 紺色のジャケットの下はプレーンなシャツで、膝より少し丈の長いフレアスカート。足元は黒のローヒールパンプスで、髪を後ろでひとつに束ねられた、新入社員らしい出で立ちだった。

「これから社会人としての日々が始まりますが、はやく職場になじみ、みなさまのお役に立てますよう、頑張ってまいりたいと思っております」

 日赤社長から辞令を受け取った後、愛子さまはそう抱負を明かされた。今後、愛子さまは常勤の嘱託職員として勤務される。

「常勤とはいえ、平日5日間、フルタイムで勤務するわけではありません。公務やその準備の都合に合わせて臨機応変に対応されるようです。日赤の場合、非常勤だと勤務の曜日などが事前に決まってしまうため、より柔軟な働き方ができる常勤を選ばれたのでしょう。今後、成年皇族として多くの公務を担うことを見据えられてのご判断と思われます」(皇室記者)

「“途絶状態”を思い出した」

 この春は、愛子さまにとっての節目が相次いだ。3月26〜27日には、おひとりで初めて宿泊を伴う地方訪問に出かけ、伊勢神宮や神武天皇陵を参拝された。その6日前の3月20日には、学習院大学の卒業式に出席された。

「卒業式は、学部によって時間帯が分けられていました。愛子さまは、午前中に卒業式にご出席。ただ、その日キャンパスをあとにされたのは、夕方になってからでした。愛子さまは学習院に幼稚園から通われ、同級生に顔なじみも多い。コロナ禍で充分にはキャンパスライフを楽しめませんでしたから、午後の卒業式に出席したお友達との交流の時間を取られたのでしょう」(前出・皇室記者)

 だが、宮内庁関係者の中には、愛子さまのそのご様子を不思議に感じた人もいたようだ。

「卒業などの節目を迎えると、上皇ご夫妻へご挨拶に向かわれるのが慣例になっています。愛子さまの中学校ご卒業の際には、卒業式当日に、ご夫妻にお目にかかっています。しかし、今回は当日はおろか、日を改めても、卒業や就職に際してのご挨拶がありませんでした」(宮内庁関係者)

 振り返れば、秋篠宮家の眞子さんは大学の卒業式の翌々日に、佳子さまは卒業式当日にご挨拶のため当時の御所へ向かわれた。悠仁さまも、小学校ご卒業の当日、中学校ご卒業の翌日に、それぞれご挨拶された。中学ご卒業時は令和であり、仙洞御所に向かわれた。愛子さまの高校ご卒業は新型コロナの感染拡大時期だったため除外したとしても、上皇さまと美智子さまにご挨拶をされていない状況は、慣例を覆すものだと言える。

「どうしても、天皇と皇太子時代の両家の“途絶状態”を思い出してしまいます。まだ愛子さまが幼かった頃、上皇ご夫妻と天皇ご一家はほとんど交流がありませんでした。かたや、秋篠宮家とは、静養先で合流されるなど、密にコミュニケーションを取られていた。そうした関係性は、それぞれの家に付き従う職員にも伝播し、職員同士の希薄な関係にもつながりました」(前出・宮内庁関係者)

 それが垣間見えたこともあった。今年の元日、両陛下は上皇ご夫妻へのご挨拶に向かわれなかった。秋篠宮ご夫妻や佳子さま、悠仁さまが足を運ばれたのにもかかわらずだ。

「美智子さまのご判断で、両陛下にだけは“ご招待”がなかったからだとされています。元日の両陛下のスケジュールは儀式をはじめとしてとにかく多忙で、雅子さまのご体調を気遣われたのでしょう。ただ、“新年の挨拶”は一般的な家庭でも当たり前のものですし、雅子さまの無理のない範囲を側近らが共有すれば、実現できたはずです」(前出・宮内庁関係者)

 残念ながら、それと同じことが愛子さまのご卒業に際しても起きてしまったのだろうか。

「たしかに、卒業式から間髪入れずに地方訪問、さらに日赤入社を迎えられ、愛子さまは多忙を極められていました。それでも、愛子さまは美智子さまにご挨拶されたいというご意向だったそうです。一方の美智子さまも、孫娘のお祝いにお会いになりたかったことは間違いありません。孫の大学卒業と就職の報告を喜ばない祖父母などいるはずがありません。

 ところが、そうした双方のお気持ちを職員が察して調整できなかったため、“ご挨拶しない”という、傍から見れば緊迫の状況を引き起こしてしまったのではないか」(別の宮内庁関係者)

 愛子さまは、すでに次に目を向けられている。

「日赤での業務は、ボランティアの育成や研修などが中心で、皇族としての務めに直結するものです。また、すでに数多くの公務の依頼が舞い込んでおり、愛子さまのなさりようが、そのまま令和皇室のイメージを左右すると言っても過言ではありません。愛子さまは、ご自身がそうした重要な立ち位置にいることを理解されているはずで、いまは社会人になる準備を最優先にされたのでしょう」(皇室ジャーナリスト)

 すでに両陛下も、愛子さまの本格始動後に完成する「新しい天皇家」に向けて動き出されている。

「4月中にも再度、能登半島地震の被災地を訪問されることが検討されています。また、6月にはイギリスを公式訪問される予定です。同様に愛子さまも明日を見据え、皇室の未来を両陛下とご一緒に形作ろうという志向をお持ちなのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)

 いずれ、愛子さまには美智子さまとのお話の機会がくるだろう。そのときには、卒業と就職の喜びはもちろん、社会人としての充実の日々を、感謝とともに伝えられるに違いない。

※女性セブン2024年4月18日号

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