砂糖入りの清涼飲料水を週2回飲むと運動をしていても心血管疾患のリスクは高まる

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ソフトドリンクや炭酸飲料、フルーツカクテルなど、加糖飲料はアメリカの食生活における最大の加糖源であり、心血管疾患の高いリスクと関連しているとされています。一方、十分な運動を習慣づけることで心血管疾患のリスクを抑えられるともいわれています。ハーバード・T・H・チャン公衆衛生大学院の研究チームが、加糖飲料の与える心血管疾患リスクについて、約30万人のデータを用いたコホート研究の結果を発表しました。
Sugar-sweetened or artificially-sweetened beverage consumption, physical activity, and risk of cardiovascular disease in adults: a prospective cohort study - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002916524000017

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Study: Physical activity can't counter cardiovascular risk associated with sugar-sweetened beverage consumption
https://medicalxpress.com/news/2024-02-physical-counter-cardiovascular-sugar-sweetened.html
糖分は人間にとって非常に重要なエネルギー源ですが、過剰に摂取すると糖尿病や脂肪肝、あるいは心血管疾患のリスクが高まるといわれています。
砂糖の過剰摂取は確実に現代人の健康をむしばんでいるという主張 - GIGAZINE

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ラヴァル大学薬学部のJean-Philippe Drouin-Chartier教授は「こうした加糖飲料のマーケティング戦略では、活動的な人々が飲んでいる姿が描かれます。これは体を動かすことで、加糖飲料の摂取が健康に悪影響を与えないというイメージを示しています。私たちの研究は、このイメージが正しいかどうかを検証することを目的としています」とコメントしています。

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Drouin-Chartier教授の率いる研究メンバーは、およそ30年間にわたって約10万人の成人を追跡調査した2つのコホートを検証しました。その結果、週に2回以上加糖飲料を摂取する人は、運動量に関係なく心血管疾患のリスクが高いことが判明しました。
この研究で考慮された加糖飲料の摂取頻度は週2回と比較的低いものの、それでも心血管疾患のリスクと有意に関連していると研究チームは指摘。もちろん毎日摂取すると、リスクはさらに高くなります。
心血管疾患を予防するためには一般的に週150分の運動が推奨されますが、研究チームによると、週150分の運動でも週2回の加糖飲料の摂取による悪影響を相殺できなかったとのこと。

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一方、人工甘味料入りの飲料だと、心血管疾患のリスク上昇との関連は見られなかったとのこと。Drouin-Chartier教授は「加糖飲料を人工甘味料入りのダイエット飲料に置き換えることは、摂取する糖の量を減らせるのでいいことです。しかし、最もいい飲み物は水です」とコメントしています。
ハーバード・T・H・チャン公衆衛生大学院の研究者で論文の筆頭著者であるLorena Pacheco氏は「今回の研究結果は、加糖飲料の摂取を制限しながら適切に運動を行う習慣を続けることを奨励する公衆衛生勧告や政策を支持するものです」とコメントしました。

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