「虚しさしか残らない読後感がくせになる」窓際三等兵、麻布競馬場ら注目作家が集結したTwitter文学アンソロジーが話題! 2023年人気「特集記事」TOP5

「虚しさしか残らない読後感がくせになる」窓際三等兵、麻布競馬場ら注目作家が集結したTwitter文学アンソロジーが話題! 2023年人気「特集記事」TOP5

2023年に「よみタイ」で配信された300を超える記事の中から、よく読まれた「特集記事」「よみもの連載」「コミック連載」の各TOP5を発表!
第一弾となる今回は「特集記事」の年間ランキング上位5位を発表します!
(構成・文/よみタイ編集部)

【5位】【W新刊記念対談】武田砂鉄×堀井美香 あなたの「普通」と私の「普通」が違う場所で語り合うこと

ライターの武田砂鉄さんが、父ではない立場から、子育てや家族について考えた『父ではありませんが 第三者として考える』。フリーアナウンサーの堀井美香さんが、27年間勤めたTBSを退社し、フリーとなった経緯を綴った『一旦、退社。50歳からの独立日記』。
どちらも2023年頭に発売され、即重版となった話題作です。

TBSラジオでの共演などで親交のあるお二人が、お互いの新刊刊行を記念し、3月9日に青山ブックセンターでトークイベントを開催。
対談の模様をテキスト化し、ダイジェストでまとめた特集記事が、「【W新刊記念対談】武田砂鉄×堀井美香 あなたの「普通」と私の「普通」が違う場所で語り合うこと」(4月21日配信)です。

「この本の中で、鍵かっこ付きの『普通』っていう言葉を使って、『普通の結婚とは』とか、『普通、結婚して子どもを産むものだよね』みたいな圧に対する疑いを書いてはいるんですけど、『普通とされる形』を根こそぎ削りたいわけではありません。それが弾かれるようであってはいけないとは思っています。」と武田さん。

親戚で集まったり、ライフステージが変わった同級生と久々に再会したり、家族や生き方について考える機会も多い年末年始。
ぜひ本とあわせて、こちらの対談もじっくりとお楽しみください!

【4位】なぜ男は「ゴム無し無責任射精」にとらわれてしまうのか?【藤澤千春×山下素童 射精責任対談】

2023年に大きな話題を呼んだ書籍『射精責任』(ガブリエル・ブレア著、太田出版)。
望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す翻訳書で、発売即重版となりました。

「なぜ男は『ゴム無し無責任射精』にとらわれてしまうのか?【藤澤千春×山下素童 射精責任対談】」(8月18日配信)が、本書のロングヒットに比例してアクセスを集め続けています。

こちらの特集記事は、『射精責任』の日本語版の担当編集者であり、X(旧Twitter)での投稿が大きな話題を呼んだ藤澤千春さんと、著書『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』の中で、男性の加害性や性的同意への葛藤を描いた山下素童さんの対談です。

記事公開直後に、山下さんは、「初対面の人とこんなにがっつり射精の話をしたのは初めてです。射精に関係ある人はぜひ読んでみてほしいです。」(2023年8月18日 山下素童さん @sirotodotei のX投稿より)とコメントを投稿しています。

山下さんがゴールデン街を舞台に綴った私小説『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』も、今年7月に発売され、大きな話題を呼びました。
時代を表す今年注目の2冊、まだ手に取っていない方は、この機会にぜひ!

【3位】東大はじめ高学歴出身家系である母が、父を透明人間のように扱うようになって……。【おおたとしまさ新刊『中受離婚』一部試し読み】

11月2日に発売されたおおたとしまささんの新刊『中受離婚 夫婦を襲う中学受験クライシス』。

「合格から逆算し受験をプロジェクト化する夫、わが子を褒めることができない妻」、「受験への出費をいちいち渋る夫、受験伴走も仕事も家事、育児もワンオペする妻」、「夏期講習よりもサマーキャンプを優先したい夫、夫を透明人間のように扱う妻」……。
子どもは無事に合格したものの、受験期間のすれ違いから破綻してしまった3組の夫婦について、「夫」「妻」「子」それぞれの立場から語られる衝撃のセミ・フィクションです。

「東大はじめ高学歴出身家系である母が、父を透明人間のように扱うようになって……。【おおたとしまさ新刊『中受離婚』一部試し読み】」(11月16日配信)では、「第三章 子」編の冒頭一部を試し読み公開しています。

「東大に行って、ノーベル賞を取りたい!」という理科が好きな小学生の息子の夢を応援すべく、中学受験に取り組むことになった一組の夫婦。
ところが、思うように成績が伸びない息子を前に、高学歴家系で育った妻は暴走していき……。

刊行記念インタビューの中で、著者のおおたとしまささん自身が、「(本書の執筆を通して)離婚観が変わった」と明かすほどの衝撃作。ご注目ください!

【2位】【村井理子さん×ジェーン・スーさん『実母と義母』刊行記念特別対談 】 「親の顔」以外の父母のことがわからない~近くて遠い家族との過去、現在、未来

『兄の終い』『全員悪人』『家族』などで、家族関係のままならなさを描き続ける翻訳家でエッセイストの村井理子さん。
今年は、10月6日に発売された最新刊『実母と義母』が大きな話題を呼びました。
癌で亡くなった実母と、今現在認知症が進行中の義母、「ふたりの母」に焦点を当てたエッセイです。

本書の刊行を記念して、著者の村井さんと、作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティとして幅広く活躍するジェーン・スーさんの対談が実現しました。
お二人はこれまで X(旧ツイッター)で交流がありましたが、実際に顔を合わせるのはこれが初めて。

対談特集記事「【村井理子さん×ジェーン・スーさん『実母と義母』刊行記念特別対談】 「親の顔」以外の父母のことがわからない~近くて遠い家族との過去、現在、未来」(11月11日配信)は、初対談とは思えないほど大いに盛り上がったお二人のトークをダイジェストで紹介。

近くて遠い家族への複雑な感情、若いころに親をがんで看取った経験について、格闘技に惹かれる理由など、共通点が多いお二人の赤裸々な思いが語られ、「何度も頷いてしまった」「村井さんとスーさんの本を読み直したくなった」などの声が寄せられています。

【1位】幼少期にポケモンを買ってもらえなかった早稲田卒アラフォー会社員の、タワマンに住んでも癒されない虚しさとは?【窓際三等兵 新刊試し読み】

4月5日に発売された書籍『本当に欲しかったものは、もう──Twitter文学アンソロジー』。
窓際三等兵さんや外山薫さん、麻布競馬場さんといった、今注目の書き手が、Twitterに投稿したショートショートの中から傑作を集めた一冊です。

「幼少期にポケモンを買ってもらえなかった早稲田卒アラフォー会社員の、タワマンに住んでも癒されない虚しさとは?【窓際三等兵 新刊試し読み】」(4月2日公開)では、本書の表題作「本当に欲しかったものは、もう」を無料公開。

「『夏休み、パパが東京にミュウの配布会連れてってくれるって!』『いいな! てかポケモン青、いつ届くんだろ』。チャイムの音と共に騒がしくなる教室で、目を輝かせる友人達。小学校の話題の中心はいつもポケモンだった。僕は一人、いつも下を向いていた。ウチにはゲームボーイも、スーファミもなかった。」

こんな呟きから始まるこのエピソードは、窓際三等兵さんが2022年11月にTwitter(現X)に投稿後瞬く間に拡散され、はてなブックマークやTogetterでも大きな反響を呼んだ一篇です。

「Twitterで読んだことがあるエピソードも本で読むとまた違った味わいがある」「読後に虚しさしか残らない。つらいのにクセになる」との声も寄せられています。

* * *

以上、2023年の人気「特集記事」TOP5でした!

ジャンルで探す