“キレキレダンス”が大バズリの滋賀学園 選手として甲子園を目指した応援団長が「乗り越えた葛藤」
「やっぱり何回も練習しないと、キレもあんなに出ないですし。もう、何回も何回も練習しました」
こう語るのは、滋賀学園3年生の荒井浩志さん(以下、カッコ内は荒井さん)。第106回全国高校野球選手権大会で、滋賀学園はベスト8に進出。夏の甲子園出場は、15年ぶり2回目だった。
準々決勝では惜しくも青森山田に敗れたが、荒井さんが団長を務めた応援団のコミカルな振り付けがSNSで“キレキレダンス”と大きくバズるなど、注目を集めた。ブラスバンドのリズムに合わせ、全身全霊でチームを応援する部員たちの姿に心を打たれた人が続出していた。
甲子園を終えて「『やりきった』と実感しています」と語る荒井さんだが、応援団長になるまでは葛藤もあったという。
「もとはプレイヤーとして、甲子園を目指していました。そのために努力をして最後の夏まで取り組んできたんですが、メンバーから外れてしまって……。 はじめは落ち込んでいたんですけど、でも、チームの勝利のために落ち込んでいたら前に進まないと思ったんです。応援団長として、『チームのためにできることを探そう』っていう風に切り替えました」
そう前を向くことができたのは、両親が背中を押してくれたおかげでもあるという。
「お父さんからは『ここまで頑張ってきたことは、最後まで頑張り続けよう』っていう風に言ってもらいました。『ここで落ち込んで腐るんじゃなくて、応援して、頑張って甲子園に行こう』と励ましてもらったんです」
そんな荒井さんが将来目指すのは、救急救命士。「進学先はまだ決まっていないんですが、自分の将来の夢に向かって専門学校で知識をつけたいと思っています」と話し、そのきっかけをこう明かしてくれた。
「『人を助けたい』という思いが1番あって、もとは消防士を目指していたんです。ですが母が看護師として働いていて、救急救命士と関わることが多いと聞きました。初めて母から『救急救命士っていう仕事もあるよ』と教えてもらい、自分で調べていくうちに興味を抱くようになったんです。やっぱり第一線で傷病者に関われる仕事に魅力を感じて、救急救命士になりたいと思いました」
インタビューでは始終、ハキハキとした受け答えが印象的だった荒井さん。最後に好きな有名人を聞いてみると、お笑いコンビ・ジャルジャルの名前を挙げていた。
「お笑いの中でもシュールなお笑いがすごく好きで、ジャルジャルは自分のツボにはまりました。家族のみんなも好きなんです」
仲間や家族と培った絆を糧に、荒井さんは夢に向かって前進する――。
08/29 11:00
女性自身