「一線を超える奴がいる」「ルールブックに書いていないからOKじゃない」J1町田の誹謗中傷への「法的措置を取る」声明がさらなる“炎上”を呼ぶ“泥沼騒動”

 J1のFC町田ゼルビアは29日、クラブ公式HP上で声明を発表し、SNS上などで所属選手やスタッフ、その家族らに誹謗中傷が殺到している状況に対して「法的措置を取る」と今後の方針を表明した。今シーズンから初めてJ1を戦っている町田では、サッカーのスタイルや、ロングスロー用のタオルなどを巡る黒田剛監督(54)の言動が批判されていて、クラブ側が「看過できない」と判断した。しかし、声明に対しても批判が集中するなど、さらに炎上する事態を招いている。

 「風評被害により多大な経済的損失を受けている」

 ロングスロー用タオルを巡る黒田監督の抗議が物議を醸した、サンフレッチェ広島との天王山から一夜明けて、町田がクラブ公式HP上で声明を発表した。
 タイトルに「弊クラブ及び所属選手・スタッフに対する誹謗中傷について」と打たれた声明は、町田を巡るSNS上での現状がまず綴られていた。
「弊クラブ及び所属選手・スタッフに対して、SNSなどにて悪意ある誹謗中傷が多発している件について、今後の方針をお知らせいたします。現在、悪意ある誹謗中傷から派生した風評被害によって、クラブとして多大な経済的損失を受けております。また、所属している選手・スタッフとその家族など、個人への精神的な被害は既に甚大であり、これ以上看過することはできません」(原文ママ)
 どのような誹謗中傷が誰に寄せられているのかなど、具体的な内容は記されていない。しかし、町田を巡っては高校サッカー界の強豪、青森山田から転身した黒田監督に率いられた昨シーズンから、SNS上でさまざまな批判があがっていた。
 黒田監督のもとでJ2リーグを制し、クラブ史上で初めて戦うJ1戦線でも長く首位に立ってきた今シーズンは、町田を巡る是非がさらにヒートアップ。この日に発表するに至った声明は、さらにこう続けられている。
「今後、SNSへの書き込み等について、一切の証拠を保全すると同時に、随時開示請求を行っていき、然るべき法的措置を取って参ります。この件につきまして、FC町田ゼルビアでは、厳正な処置を取る所存です。ファン・サポーターの皆様におかれましても、節度ある行動を宜しくお願いします」(同)
 球際の激しい攻防を厭わない強度の高いプレースタイルが、サッカーファンや他クラブのサポーターから「荒っぽい」や「ダーティー」などと非難されてきた町田に対する逆風が、一気に高まったのが8月17日のジュビロ磐田戦だった。
 大量4ゴールで圧勝したこの試合の後半13分に、パリ五輪代表のFW藤尾翔太(23)がチームの4点目となるPKを蹴る前に、ボールの表面にペットボトルの水をかけた行為を高崎航地主審(31)が問題視。ボールを交換する措置が取られ、これに対して両手を広げて抗議の意を示した藤尾に批判が殺到する事態が生じた。
 藤尾はそれまでも、PKを蹴る前にボールへ水をかける行為をルーティーンのように繰り返してきた。一方でサッカーの競技規則には、全17条のどこにも「ボールに水をかけてはいけない」や「水をかけてもいい」とは記載されていない。
 こうした状況でボールを交換させた高崎主審の判断を、審判団を統括する日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は「間違っていない。十分に理解できる」と支持。Jリーグ担当統括を務める佐藤隆治マネージャー(47)はこう語っている。

 

 

「競技規則には『これはしていい』とか、あるいは『これはダメ』とひとつひとつ具体的に書かれているわけではない。なので、審判員は競技規則に書かれている内容や競技規則の精神をベースに、安全かつ公平で、お互いにフェアで、対戦相手をリスペクトする試合を最後までやる、といった精神のもとでジャッジしていく」
 つまり藤尾の行為が、フェアプレーの精神と対戦相手へのリスペクトに欠けていたと判断され、JFAにも支持された。これに対して黒田監督は、ボールに水をかける行為は自身が指示したものではなく、今シーズンの序盤戦でPKを外した失敗がある藤尾が考えついたルーティーンだと説明。さらにこんな見解を示していた。
「こちらとしては藤尾のルーティーンがダメだとも、あるいはいいとも言わなかった。そのなかで審判委員会が、この件をテーブルの上に乗せて議論してくれたのはありがたいと感じている。われわれはそれを意気に感じて、藤尾もさらに成長するために、ボールに水をかけなくても成功させるだけのスキルやキックを身につけていく必要性もある。その意味でお互いに成長できるチャンスにできれば」
 さらに8月31日の浦和レッズ戦では、町田がピッチ脇の複数箇所にあらかじめ置いていたロングスロー用タオルを巡ってひと悶着が起こっている。
 町田は武器であるロングスローの際にボールをタオルで拭き、表面が滑るのを防いでいた。青森山田高時代から徹底してきたルーティーンでもあり、雨中での開催となった浦和戦では、複数のタオルを入れたビニール袋を設置。これを浦和のフィジカルコーチが撤去し、さらにタオルを取り出して顔や頭を拭く行為に及んでいた。
 ロングスロー時のタオル使用に関しても、競技規則内ではまったく言及されていない。こうした状況を受けて前出の佐藤マネージャーはこう言及していた。
「このあたりは基本的に、すべてで審判員が間に入って何かをする、という形にはならない。置く場所などを含めてリーグとも話を詰めながら、みんなが『そうだよね』と言える着地点を見つけながらやっていければ、と思っている」
 しかし、広島に敗れて3位に後退した28日の首位攻防戦でも、タオルを巡る場外戦が勃発した。タオルが入ったビニール袋のうち、広島のウォーミングアップエリア近くに置かれたものをリザーブの選手たちが撤去。町田のスタッフが再び設置すると、ビニール袋のチャックを開けてペットボトルの水を注ぎ込む行為にも及んだ。
 試合中から激高し、第4審判員を介して抗議を繰り返していた黒田監督は、試合後の公式会見でも「もちろん抗議します。やられ放題なので」と明言。広島側の行為を非難しながら、こんな見解を示していた。

 

 

「競技規則には『これはしていい』とか、あるいは『これはダメ』とひとつひとつ具体的に書かれているわけではない。なので、審判員は競技規則に書かれている内容や競技規則の精神をベースに、安全かつ公平で、お互いにフェアで、対戦相手をリスペクトする試合を最後までやる、といった精神のもとでジャッジしていく」
 つまり藤尾の行為が、フェアプレーの精神と対戦相手へのリスペクトに欠けていたと判断され、JFAにも支持された。これに対して黒田監督は、ボールに水をかける行為は自身が指示したものではなく、今シーズンの序盤戦でPKを外した失敗がある藤尾が考えついたルーティーンだと説明。さらにこんな見解を示していた。
「こちらとしては藤尾のルーティーンがダメだとも、あるいはいいとも言わなかった。そのなかで審判委員会が、この件をテーブルの上に乗せて議論してくれたのはありがたいと感じている。われわれはそれを意気に感じて、藤尾もさらに成長するために、ボールに水をかけなくても成功させるだけのスキルやキックを身につけていく必要性もある。その意味でお互いに成長できるチャンスにできれば」
 さらに8月31日の浦和レッズ戦では、町田がピッチ脇の複数箇所にあらかじめ置いていたロングスロー用タオルを巡ってひと悶着が起こっている。
 町田は武器であるロングスローの際にボールをタオルで拭き、表面が滑るのを防いでいた。青森山田高時代から徹底してきたルーティーンでもあり、雨中での開催となった浦和戦では、複数のタオルを入れたビニール袋を設置。これを浦和のフィジカルコーチが撤去し、さらにタオルを取り出して顔や頭を拭く行為に及んでいた。
 ロングスロー時のタオル使用に関しても、競技規則内ではまったく言及されていない。こうした状況を受けて前出の佐藤マネージャーはこう言及していた。
「このあたりは基本的に、すべてで審判員が間に入って何かをする、という形にはならない。置く場所などを含めてリーグとも話を詰めながら、みんなが『そうだよね』と言える着地点を見つけながらやっていければ、と思っている」
 しかし、広島に敗れて3位に後退した28日の首位攻防戦でも、タオルを巡る場外戦が勃発した。タオルが入ったビニール袋のうち、広島のウォーミングアップエリア近くに置かれたものをリザーブの選手たちが撤去。町田のスタッフが再び設置すると、ビニール袋のチャックを開けてペットボトルの水を注ぎ込む行為にも及んだ。
 試合中から激高し、第4審判員を介して抗議を繰り返していた黒田監督は、試合後の公式会見でも「もちろん抗議します。やられ放題なので」と明言。広島側の行為を非難しながら、こんな見解を示していた。

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