ピラニアの異名の元大関旭国が死去、77歳…大島親方としてモンゴル出身力士隆盛の礎を築く

 大相撲の元大関旭国で、大島親方として初のモンゴル人力士入門の道を開いた太田武雄(おおた・たけお)さんが22日、死去した。日本相撲協会関係者が明らかにした。77歳だった。ここ数年は闘病中だったという。

元小結旭鷲山の引退断髪式で止めばさみを入れる大島親方(2007年6月2日)

 北海道愛別町出身。立浪部屋に入門して1963年名古屋場所で初土俵を踏み、69年名古屋場所で新入幕。76年春場所後に大関に昇進した。しぶとく食い下がってからの下手投げやひねり技などを得意とし、「ピラニア」の異名を取って技能賞は6度受賞。研究熱心さから、「相撲博士」とも呼ばれた。

 引退後は大島親方として大島部屋を創設。元横綱旭富士(現・伊勢ヶ浜親方)らを育てたほか、92年には元関脇旭天鵬(現・大島親方)、元小結旭鷲山らをモンゴルから初めて入門させ、現在のモンゴル出身力士隆盛の礎を築いた。日本相撲協会では理事として巡業部長などを歴任した。2012年4月に65歳で相撲協会を定年退職した。

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