元大関・旭国の太田武雄さんが死去 77歳 親方としても横綱・旭富士、関脇・旭天鵬らを育てた名伯楽

太田武雄さん

 大相撲の元大関・旭国の太田武雄さんが22日に死去したことが日本相撲協会関係者の話で分かった。77歳だった。この数年は闘病が続いていたという。

 1947年4月25日、北海道・愛別町に生まれ、中学3年の秋に上京して立浪部屋の門をたたいたが、身長が足りずに新弟子検査を4度不合格に。頭にたんこぶをつくって背伸びなどをしてようやく合格となった逸話を持つ。

 63年名古屋場所で初土俵。69年春場所で新十両、同年名古屋場所で新入幕を果たした。174センチの小兵ながら安定した下半身を土台に、とったりや食い下がっての下手投げ、上手出し投げを武器に土俵を沸かせた。76年春場所後に大関昇進。膵臓(すいぞう)炎などの病気にも苦しめられたが、大関在位は21場所を誇った。しぶとい相撲から「ピラニア」、研究熱心で巧みな取り口から「相撲博士」の異名も取った。幕内在位54場所で418勝330敗57休。敢闘賞1回、技能賞6回。金星を2個獲得した。

 79年秋場所限りで引退し、年寄「大島」を襲名。80年に大島部屋を開いた。第63代横綱・旭富士(現・伊勢ケ浜親方)、モンゴル出身初の関取となった元小結・旭鷲山、元関脇・旭天鵬(現・大島親方)ら多くの関取を育てた名伯楽だった。モンゴル出身力士の隆盛のきっかけをつくった人でもあった。協会の理事として巡業部長などを歴任した。

 ◆太田 武雄(おおた・たけお)元大関・旭国。1947年4月25日、北海道・愛別町生まれ。立浪部屋に入門し、63年名古屋場所で初土俵。69年春場所、新十両。同年名古屋場所で新入幕。76年春場所後に大関昇進。79年秋場所限りで引退し、年寄・大島を襲名。得意は右四つ、とったり、下手投げ。敢闘賞1回、技能賞6回。金星2個。現役時代は174センチ、120キロ。

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