「SASUKE」起源の「オブスタクルスポーツ」、徳島に全国初の公認コース…ロス五輪で採用「聖地に」

 様々な障害物を突破するタイムを競う「オブスタクルスポーツ」の日本協会公認コースが全国で初めて徳島県吉野川市鴨島町に設置され、10月13日に初の日本選手権が開かれる。2028年のロサンゼルス五輪からは近代五種の1種目として正式に採用されることが決まっており、関係者は「吉野川市をオブスタクルスポーツの聖地として発信していきたい」と意気込んでいる。(大島渉)

公認コースに設けられた「モンキーバー」(徳島県吉野川市で)

 同スポーツは、人気テレビ番組「SASUKE」から派生した米国の人気番組などをヒントに生まれた。全長100メートルのコースに12種類のオブスタクル(障害物)が配置され、選手は高い壁を乗り越えたり、ロープにつかまって飛んだりしながら前に進む。世界で120以上の団体があり、国内では「日本オブスタクルスポーツ協会(JOSA)」が統括している。

 コースの運営会社「リレイズ」(徳島市)によると、JOSAの理事が吉野川市に本社を置く建設会社の会長とつながりがあり、民間による施設を探していた理事の意向を快諾。「吉野川コース」として今年1月に工事が始まり、4月に完成した。

 吉野川コースはアジアで唯一、国際基準に準拠しているという。主に腕の力で進む「モンキーバー」や、高さ50センチの網をくぐる「ネットクロール」、指に体重がかかる「クリフハンガー」、ゴール前には高さ4メートルの壁「フィニッシュウォール」が立ちふさがる。

高さ4メートルの壁「フィニッシュウォール」

 日本選手権は、18歳以上(シニア)と12歳以上18歳未満(U―18)の男女計4クラスで実施。同じ障害物で2回(U―18は3回)失敗するか、3分以内で全障害物をクリアできなければ失格となる。JOSAが20日まで、出場選手を募集している。

 21日には、個人や団体で同コースに挑戦する大会も開催。SASUKEでも活躍した俳優のケイン・コスギさんのトークショーなどもある。

 リレイズは今後、五輪選手の育成や県外からの合宿誘致、観光・イベントスポットとしての活用を目指す。JOSA四国ブロックディレクターも務める白川知明社長は「このスポーツを楽しみに来てもらうことで、徳島の魅力をアピールしていきたい」と力を込める。

 コースの営業時間は午前9時~午後5時で不定休。小学生以上が利用可能で、1日の料金はいずれも税込みで大人2200円、小学生~高校生1100円。コースの運営に関する問い合わせは、リレイズ(090・2780・2013)。

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