DeNA大田泰示が引退会見「手を抜かずやったことが誇り」16年の現役生活に別れ

今季限りでの現役引退を発表したDeNAの大田泰示外野手(34)が18日、横浜市内の球団事務所で引退会見を行った。ベイスターズカラーの青のネクタイで会見に臨んだ大田は、松井秀喜氏が背負った巨人の「55」を託されてスタートした、16年間の現役生活を振り返った。

「まだまだ野球やりたい気持ちもあるが、今は後悔はない」とすがすがしい表情で率直な思いを口にした。現役続行の道も模索したが、チームが26年ぶりの日本一を達成した今季、「今思うと引退を決断するにあたって必要な1年だった」と語った大田。現役生活で初めて1軍出場がなかったことや、今季の多くを過ごしたファームで日本一を達成したタイミングも、決断を後押しした。

期待とその重圧と隣合わせの16年間だった。東海大相模高時代、188cmの大柄な身体から高校通算65本の本塁打を放ち、投手としても最速147キロを投げる強肩で注目を浴びた。08年のドラフトでは、2球団競合の末、巨人にドラフト1位で入団。松井秀喜氏が背負った「55」を与えられ、「ゴジラの後継者」として大きな期待をかけられた。しかし、「背番号に見合った活躍ができなかった」。巨人在籍8年間で、期待された本塁打は9本にとどまった。

「重圧を感じた」と語った背番号「55」のはく奪もあり、16年には日本ハムへのトレード移籍。日本ハムでの5年間では66本の本塁打、4回の規定打席到達の活躍もあったが「僕はそんなにすごい選手ではない。下積みの方が長かった」と大田。「手を抜かずにやってきたことが誇れること。ケガしてもいいやくらいの気持ちでないと這いあがれない。その気持ちで突っ走ってきた」16年間だった。

「慣れ親しんだ横浜スタジアムでプレーできたことは、野球人生の中ですごく大きな1ページになった」という。高校時代を過ごした思い入れのある神奈川で野球人生を終える大田は、今後について「新たなステージに向かって頑張ります。野球界に還元できる活動をしたいと思う」と語った。フィールド上ではもちろん、ベンチでも1番前に立ち、誰よりもチームを鼓舞した熱き漢が16年の現役生活に別れを告げた。

大田泰示(おおた たいし)
1990年6月9日生まれ、34歳。広島県福山市出身 右投右打
東海大相模高(神奈川)から08年ドラフト1位で巨人に入団(09年~16年)。その後日本ハム(17年~21年)、DeNA(22年~24年)
 

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