1試合6億円はスゴすぎる! 米女子ゴルフ最終戦の超高額優勝賞金がツアーの記録を一気に動かす可能性があるって本当?

11月21日から行われる米女子ツアー最終戦「CMEグループツアー選手権」。この大会の優勝賞金は昨年から倍増となる史上最高の400万ドル(約6億円!)。この超高額賞金がこれまでのツアー記録を一気に動かす可能性があるという。

生涯獲得賞金や年間最高獲得賞金記録が一気に変わる

 1月にスタートした米女子ツアーは今週の「CMEグループツアー選手権」で終了する。同大会の優勝賞金はツアー史上最高の400万ドル。この超高額賞金がツアーの歴史を一気に動かす可能性を秘めている。

 米女子ツアーの賞金はすごい勢いで増えている。昨年までの優勝賞金最高額は「全米女子オープン」と「CMEグループツアー選手権」の200万ドルだった。それが、今年6月の「全米女子オープン」が240万ドルに増額して史上最高額を更新したかと思えば、「CMEグループツアー選手権」は何と前年から倍増の400万ドルになったのだ。

「アニカ・ドリブン・バイ・ゲインブリッジatペリカン」で年間7勝目を挙げたN・コルダ 写真:JGTO images

「アニカ・ドリブン・バイ・ゲインブリッジatペリカン」で年間7勝目を挙げたN・コルダ 写真:JGTO images

 ざっくり1ドル150円で計算すると400万ドルは6億円になる。先週の「大王製紙エリエールレディス」で竹田麗央が塗り替えた日本のシーズン獲得賞金新記録は約2億5913万円であるが、優勝すればその2倍以上の金額をたった1試合で手にできるのだ。

 この破格の賞金額が長い間動きがなかった生涯獲得賞金ランキングを激変させるかもしれない。現在の1位はツアー歴代最多となる8度の賞金女王に輝き、2008年に第一線を退いたアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)で、その額は2258万3693ドルである。ソレンスタムは2001年に生涯獲得賞金1位に立ち、その座を現在まで守り続けている。

 2位はカリー・ウェブ(オーストラリア)。2001年からこの2人が1、2位を占める構図は変わっていない。いかにソレンスタムとウェブが長きにわたって活躍していたのかが分かるデータだ。

 3位はクリスティ・カー(米国)で、上位3人が2000万ドルを超えている。

 そして、4位にいるのが現役バリバリのリディア・コ(ニュージーランド)だ。現在の生涯獲得賞金は1959万3981ドル。「CMEグループツアー選手権」で優勝すれば一気に上位3位を抜いて生涯獲得賞金1位に立つ計算である。そうなれば、実に23年ぶりの1位交代となり、ツアーの歴史が塗り替わるのだ。

ソレンスタムやオチョアの大記録が更新される可能性

 シーズン獲得賞金も日本同様に新記録誕生が期待される。現在の記録は2007年にロレーナ・オチョア(メキシコ)がマークした436万4994ドル。17年も前の記録が、賞金が高騰している現在も残っているのだからすごい。この年、オチョアは8勝を挙げて2位の2.5倍近い賞金を稼ぎ出すという圧倒的な強さだった。

 このオチョアの記録を更新する可能性があるのは先週シーズン7勝目を挙げ、今季獲得賞金を416万4430ドルとしてランキング1位を独走するネリー・コルダ(米国)、だけではない。何とエントリーしている60人全員にチャンスがあるのだ。つまり、記録更新は確実な状況で、コルダ以外の選手が勝ってなおかつコルダが上位に入れば2人が同時にオチョアの記録を超えるというケースも考えられる。

 これは同時に出場者全員に今季の賞金ランキング1位、つまり賞金女王になる可能性もあるということ。米女子ツアーにおける賞金女王の価値はそれほど高くないとはいえ、何であれ部門1位になるのは悪くない。出場する日本勢4人のうち古江彩佳笹生優花、西郷真央の3人は勝てば文句なしに1987年岡本綾子以来2人目の賞金ランキング1位。畑岡奈紗は勝ってもコルダの順位次第で1位になれないケースもある。

 また、畑岡と笹生には日本人選手初の生涯獲得賞金1000万ドル超えの可能性があり、賞金以外でも古江には日本人選手初のベアトロフィー(ラウンド数の条件をクリアした選手中平均ストローク最上位)獲得が、西郷には1990年の小林浩美以来日本勢2人目のルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得がかかる注目の最終戦。メジャー2勝など日本勢が躍進した2024年をハッピーエンドで締めくくりたい。

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