「カートの席順はキャディーバッグの積まれた位置で決まる」これ、実は“無駄”って本当!?

「カートの席順はキャディーバッグの積まれた位置で決まる」という人がいますが、果たして本当なのでしょうか。

席順はむしろ状況に合わせて変えた方が良い?

「カートの席順はキャディーバッグの積まれた位置で決まる」という人がいますが、果たして本当なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

どこに座ればいいの? 写真:PIXTA

どこに座ればいいの? 写真:PIXTA

「カートは『この席にはこの人が座らなければならない』といった順番は決まっていないので、キャディーバッグがどの位置に積まれていようとも席順は自由で構いません。ただし、カゴの位置とキャディーバッグの位置だけは、対照させた方が分かりやすくて便利になるでしょう」

「ゴルフカートの後部座席のさらに後ろには、外したクラブのヘッドカバーや手荷物などを入れておくためのカゴが取り付けられていることが多いですが、カートの種類にもよりますが中で4分割にされているものが一般的です」

「急いでいると、ヘッドカバーを投げ入れてしまったり、荷物の置き場所がいい加減になってしまったりしがちですが、そうすると同伴者の持ち物と混ざって必要な時に見つかりにくくなるでしょう。そのため、例えば『キャディーバッグが一番左に積み込まれたら、カゴも同じく一番左の区分けを使う』ように意識すると良いかと思います」

「また『途中で運転を交代したい』、『次のショットを打つ際にすぐに降りられるような位置がいい』、さらには『安全バーがつかめて安定できる後部座席に乗りたい』と座りたい席は人それぞれですので、シチュエーションに応じて席替えをするとスムーズに動けるでしょう」

 なかには、最も左にキャディーバッグが積まれた人は運転席、左から2番目は左後部座席、右から2番目は右後部座席、そして最も右の場合は助手席に座るのが望ましいとする考え方を聞いたことがある人もいるかもしれません。

 確かに、そのように席順を決めておけば、座席とキャディーバッグとの間の動線が、ほかのプレーヤーと交差しなくて済むというメリットは事実として存在するので、時には効率が良くなるケースもあります。

 ところが、そうすると一番左にキャディーバッグを積まれた人がずっとハンドルを握らなければならない状態にもなるので、仲間内でラウンドするのであればそこまで席順に深くこだわる必要もないといえそうです。

座る位置や乗り降りする方向はフレキシブルに

 また、飯島氏は「カート道路の置かれた環境やプレーヤーの状況によっても、座る位置や乗り降りする方向はフレキシブルに考えた方が良い」といいます。

「カート道路は、必ずしも両脇に十分なスペースがあるとは限らず、池の縁がすぐ近くまで迫っていたり急な傾斜で乗り降りの際にバランスを崩して転倒したりしてしまう可能性も考えられます。時として、そのような場所で下車せざるを得ないケースもあるので、もしも左側の席に座っていても左が不安定な場所で安全に降りられそうにない場合は、右から降りるのが無難でしょう」

「ほかにも『同伴者がボールを打った後にカートに戻ってくるのか、そのまま歩いていくのか』や、『左側から乗り込もうとするのか、それとも右側から乗り込もうとするのか』によっても席順は変わってくるでしょう。ですので、席順は状況に応じて柔軟に変えた方が自分だけでなく、同伴者の乗り降りのしやすさにもつながるはずです」

 ゴルフカートは、スロープレーを防止するために用いられているものでもありますので、あまり席順を考えすぎると、逆にその効果が薄れてしまうかもしれません。そのため、臨機応変に対応してよりスムーズにラウンドを進められると良いでしょう。

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