ラウンドは「健康チェック」をしながら楽しむ時代に!? 小松CCが取得したヘルスツーリズム認証プログラムとは?
ヘルスツーリズムという言葉をご存じでしょうか。旅行を通して健康維持増進する目的で経済産業省が始めた「健康寿命延伸産業創出推進事業」の一環で、それに合致する観光商品にはヘルスツーリズム認証プログラムというお墨付きが与えられます。その認証プログラムをゴルフで初めて取得したのが石川県の小松カントリークラブ。そこで、ヘルスツーリズム認証プログラムとはどのようなものなのか聞いてみました。
「旅行」という非日常で指導されたことは印象に残る
ヘルスツーリズム認証プログラムを分かりやすく説明すると、一般的なスポーツを初めウオーキング、ストレッチなど、心身の健康維持増進をもたらすアクティビティを旅行先で行いましょうというもの。認証プログラムを体験すれば、いつもとは違った旅行を楽しむことができます。
ゴルフでヘルスツーリズム認証プログラムを導入した小松カントリークラブの北芳光営業企画部長は、その理由をこう話してくれました。
「認証されたプログラムを通じて、日ごろから健康を維持・管理してもらうきっかけづくりができたら、というのが目的です。会社の健康診断では特定保健指導があったりしますが、日ごろ忙しく働いている中であれこれいわれても、なかなか健康に対する意識が変わるものではありません」
「しかし、旅行という非日常で指導された言葉や出来事は強く印象に残ります。それを日常に戻ったときも継続してもらい、健康を維持増進していってもらいたい。それが当コースの認証プログラムなのです。ここにはゴルフ未経験の人もご来場いただき、プレーだけでなくヨガをしたりして自分の体の弱いところなどを研究します。これが非日常になるわけです」
この認証プログラムでは、スコア100切りのためのヨガ、飛距離を伸ばすためのストレッチといったことを行い、この後にプレーをします。それらを旅行先で指導されることで印象に残り、普段行っているゴルフ場でプレーしたときにも実行することでスコアの向上につながるといいます。
プレー中の歩行データで運動強度が分かり個別指導も受けられる
小松CCの認証プログラムとは、どういうものでしょうか。2日間にわたる内容を説明しましょう。
1日目は、血圧測定などを行ってから、歩行データを取るために活動量計という機器を腰に付けながらラウンドを行います。キャディ付で昼食休憩を挟んで18ホールを回ります。プレー後は活動量計のデータを回収、歩行強度の推移などの説明を受けます。そして活動量計を付けて、旬の食材を使った美味しい夕食を食べつつ、疲労回復と食事の関係について学びます。
2日目は、活動量計データに基づいた個別診断を受け、健康運動指導士から個別歩行実践指導をしてもらいます。
さらにヨガやストレッチといった準備運動をし、活動量計を付けての9ホールプレーをスタート。最後に1日目と、個別歩行実践指導を受けた2日目のラウンドの活動量計のデータから運動強度の違いを見てもらい、質疑応答するといったプログラムです。
「準備運動を行い、指導された歩き方を意識することで歩幅も変わってきます。1歩の強度が強くなるから、同じ1万2000歩でもストレッチ&改善した歩き方をした方が運動の成果は高く、ヘルスケアにつがります。ストレッチに関しては、運動成果を上げるために行ってくださいと話したところで誰もやりませんが、飛距離を20ヤード伸ばすためのストレッチだったら行います。その効果を実体験できることが、この認証プログラムの意義といえるでしょう」(北芳光営業企画部長)
ゴルファー創出にもつながるヘルスツーリズム
現在は会社の社員旅行や研修の日程にヘルスツーリズム認証プログラムを組み込み、小松CCにプレーをしに来るといったパターンが多いそうです。
「健康経営優良法人といった健康経営を推進している企業だと、社員の健康を増進させることを認証プログラム参加の主目的にしています。ほかにもゴルフで飛距離を伸ばすストレッチは実際に体幹が強くなるため、日常生活でも転倒防止につながり、社員をケガから守ることができます。認証プログラムの費用は補助制度もありますし、ゴルフを始めるきっかけになるかもしれません」(北芳光営業企画部長)
小松CCのある石川県には、2024年1月1日の大地震や9月の豪雨で大きな被害を被った地域もあります。観光地としても有名なこの地に旅行して地域復興につなげてもらいつつ、ヘルスツーリズム認証プログラムを利用して健康について学ぶことができれば、いつもと違った旅行とゴルフが楽しめるでしょう。
11/01 14:10
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