残り90ヤードを54度ウェッジで“ビッタビタ”!? 馬場咲希はパー5の2オン狙い封印が奏功! 初Vへ自身最高の2位発進
馬場咲希(ばば・さき)が「66」をマーク。6アンダーで首位と1打差の2位タイでフィニッシュした。
樋口久子 三菱電機レディス 初日
◆国内女子プロゴルフ 第33戦
樋口久子 三菱電機レディス 10月25~27日 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県) 6650ヤード・パー72
普段はギャラリーがほぼいないといっていい、米下部のエプソンツアーを主戦場としている馬場咲希。プロテスト後、初の国内女子ツアー参戦となった2週前の「富士通レディース」では、たくさんのギャラリーを前にしてプレーすることが楽しいと語っていた。今週も多くのギャラリーが会場へ詰め掛けたが、やはりモチベーションが上がったようだ。
スタートホールの1番でいきなり2打目をピン上90センチにつけてバーディーを奪うと、5、7、8番でも立て続けにバーディーラッシュ。極めつけは、9番パー5だ。なんと3打目をピン右5センチにつけるイーグル寸前のスーパーショットを披露。グリーンがちょうどクラブハウスの正面にあったこともあり、大勢のギャラリーからどよめきと歓声が起こった。
今回、馬場にとってプラスになったのは、コーチである坂詰和久(さかづめ・かずひさ)氏がキャディを務めていたことだ。エプソンツアーではすべて自分の判断だけでラウンドしなければならないが、この日は違った。練習ラウンドから坂詰氏は馬場の番手に応じた距離を完全に把握。それにプラスして、この日の調子や力の入り具合、コースコンディション、ボールのライなどを加味しながら、適切なクラブを渡していた。
安心してスイングできたせいか、この日、馬場が奪った7個のバーディーのうち、長いパットは8番でカラーから打った9メートルのみ。5番では3.5メートル、残りの5ホールは全て1~2メートル以内だった。
「今日はパー5でバーディーを多くとれてよかったです」。4つあるパー5のうち、3ホールでバーディーを奪った。その理由はあえて3オンで狙ったマネジメントだ。「実は9番でティーショットをバンカーに入れていたんです。以前なら2オンを狙いに行ってましたが、今回は3打目で打ちたい距離のところまで刻みました」。
坂詰氏によれば、3打目の距離もある程度予想できていたので、刻んでもバーディーを十分とれる計算があったという。確かに、9番パー5と16番パー5では、89ヤードと91ヤードから54度のウェッジで3打目を打っており、今週の馬場は「90ヤード×54度」という自分なりの“物差し”があるようだ。
ホールアウト時点では首位タイ。自身初のトーナメントリーダーで初日を終えるかと思いきや、前週チャンピオンのイ・ミニョンが「65」をマークして単独首位に。2位タイとなったが、3日間という短期決戦を考えれば、首位と1打差の2位タイは最高のスタートを切ったといえるだろう。ただ、安心はしていない。同じ短期決戦の「富士通レディース」では7位タイ発進ながらも、14位タイに終わっている。帰国直後の疲れがあったのかもしれないが、今回は万全な状態で臨んでいるだけに、最後まで優勝争いに絡んできそうだ。
馬場 咲希(ばば・さき)
2005年4月25日生まれ、東京都出身。父親の影響で5歳からゴルフを始める。東京都ジュニアゴルフ選手権(18年)、関東ジュニアゴルフ選手権(19年)、東京都女子アマチュアゴルフ選手権(21年)などで優勝。昨年は全米女子オープンに予選会を経て出場し、決勝ラウンドに進んで49位。8月の全米女子アマでは、日本勢として85年の服部道子以来、37年ぶりとなる優勝を手にした。2023年プロテスト合格。
10/25 18:10
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