圧巻の「65」! 山下美夢有が女王の“格”を見せつけ3位に急浮上も自身のゴルフには“不満”… そのワケは?

国内メジャー「ソニー 日本女子プロ選手権」の2日目、23位タイから出た山下美夢有(やました・みゆう)が「65」の好スコアをマークし、首位と4打差の通算9アンダー・単独3位で決勝ラウンドを迎える。

「(ティーショットが)左右に曲がるしタテ距離も全然合わない」

◆国内女子プロゴルフ

ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会 9月5~8日 かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県) 6670ヤード ・パー72

 女王が圧巻のゴルフを見せつけた。

 大会2日目を迎えた国内メジャー「ソニー 日本女子プロ選手権」。23位タイから出たインスタートの山下美夢有が「65」のビッグスコアをマークし、首位と4打差の通算9アンダー・単独3位に浮上した。

首位と4打差の単独3位で決勝ラウンドに挑む山下美夢有 写真:Getty Images

首位と4打差の単独3位で決勝ラウンドに挑む山下美夢有 写真:Getty Images

 11番では1.5メートル、12番では1メートルにつけるアプローチを披露。13番は16メートルの超ロングパットを、14番では6メートルを沈めて4連続バーディー。最終9番でも6メートルをねじ込んで、華麗なバーディーフィニッシュを決めた。

 一方で、「(ティーショットが)左右に曲がるしタテ距離も全然合わない」と全体を振り返る。

 この日だけで7つ伸ばしたスコアとは裏腹に、自身の評価は辛口。「後半はほぼパーオンをしていない」というように、前半とは一転してパーでなんとかしのぐ我慢のゴルフが続いた。

 ただ、調子がイマイチながらもここで崩れないのが、2季連続で年間女王に輝いたその強さたるゆえんだろう。

 およそ1カ月半ぶりの国内ツアー出場となる今大会。「パリ五輪」「全英女子」では世界の名だたる飛ばし屋の姿を目にしたが、「(海外の選手は)パワーもやっぱり違う。私は飛ばないほうなので、フェアウェイから外したくないスタンスでやっている。左右に曲がってOKという気持ちではやっていない」と、あくまで自身のプレースタイルを貫くつもり。

 スコアこそ大きく伸ばしたが、それだけにきょうのゴルフにはまったく納得いっていないようだ。

 それでも「アプローチとパターでしのげた」と、不調のティーショットに代わって巧みなショートゲームがこの日はさえた。特に「入る時は入るって感じなんで」と、パッティングの好調ぶりが支えになっている。

「まだまだスコアも伸びていくと思う。明日からもしっかり伸ばすだけ」

 今大会を制すれば、「ワールドレディスサロンパスカップ」「JLPGAツアー選手権リコーカップ」に続くメジャー3冠を達成することに。23歳の若き女王に、また新たな“勲章”が加わるか。

山下 美夢有(やました・みゆう)

2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初勝利。22年シーズンは5勝を挙げ、史上最年少21歳103日での年間女王を達成。続く23年も公式戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む5勝を挙げ、2年連続賞金女王の偉業を達成。24年は日本代表として「パリ五輪」に出場し4位タイに入った。ツアー通算11勝。加賀電子所属。

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