女王・山下美夢有が見せた“姉”の顔… プロテスト合格を果たした弟へ「次が大事。気を引き締めて」とエール

国内メジャー「ソニー 日本女子プロ選手権」が5日に開幕。「パリ五輪」「全英女子」と海外遠征が続いていた山下美夢有(やました・みゆう)が、およそ1カ月半ぶりに国内ツアーへ復帰する。

「メジャーで優勝。それしか今は考えていない」

◆国内女子プロゴルフ

ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会 9月5~8日 かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県) 6670ヤード ・パー72

 おかえりなさい―――。

 報道陣からの声掛けに「ありがとうございます」と思わず頬を緩めながら答えた山下美夢有が、国内メジャー「ソニー 日本女子プロ選手権」に挑む。国内ツアーは7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」以来で、6試合ぶりの出場となる。

山下美夢有がおよそ1カ月半ぶりの国内ツアーに挑む 写真:Getty Images

山下美夢有がおよそ1カ月半ぶりの国内ツアーに挑む 写真:Getty Images

 およそ1カ月半にわたる海外遠征を終え、国内ツアーの復帰戦に選んだのは沖縄で初めて行われるメジャー大会。

 異国の地で過ごした日々は「充実していた。楽しかった」と笑みを浮かべて振り返ったが、「パリ五輪」では1打及ばず惜しくもメダル獲得を逃し、「全英女子」ではまさかの予選落ち。目標に掲げていた2つのミッションを達成することができずに日本へ帰国した。

「コンディションはいいけど、求めているスイングとは違う。それが結果に出てしまったというか……。球筋は狙ったところにある程度はいっているけど、あまり気持ちいいスイングではない。違和感があって、それがすべて全英に出てしまった」

 自身の追い求める形とは異なる現状のスイングに頭を悩ませているようだが、一方でうれしいニュースも。現在、近畿大学に通っている弟の勝将(まさゆき)が、日本プロゴルフ協会(PGA)の最終プロテストでトップ合格を果たした。

「まさか優勝(トップ通過)するとは。私自身も変な緊張感があって」と苦笑いを浮かべながらも、「弟の成長を感じたというか、本人も自信になったと思う。その次が大事なので、しっかり気を引き締めて頑張ってほしい」と姉としてのエールを送った。

 メルセデス・ランキングは現在2位と、3季連続の年間女王を十分狙える位置につけているが、今季はここまで勝利がない。それだけに配分ポイントの大きいメジャーの今大会で、首位に立つ竹田麗央の背中をとらえたいところだ。

「メジャーでしっかり優勝したい気持ちもある。それしか今は考えていない」

 大会初日は申ジエ、勝みなみと全員がメジャーでの優勝経験を持つ注目組に。弟の吉報を力に変え、待望の今季初勝利を狙う。

山下 美夢有(やました・みゆう)

2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。21年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー初勝利。22年シーズンは5勝を挙げ、史上最年少21歳103日での年間女王を達成。続く23年も公式戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」連覇を含む5勝を挙げ、2年連続賞金女王の偉業を達成。24年は日本代表として「パリ五輪」に出場し4位タイに入った。ツアー通算11勝。加賀電子所属。

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