「ドライバーと同じの入れときゃ間違いない」って本当? フェアウェイウッドのシャフトの正しい選び方

ドライバーシャフトの製品ニュースや選び方は、ゴルフメディアでも多く紹介されていますが、フェアウェイウッドのシャフトに関する情報は多くありません。そこで今回は、フェアウェイウッドのシャフトの選び方を人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。

ドライバーと同じモデルを入れるのがベストではあるが……

 ゴルフショップに行くと、ドライバーシャフトの試打クラブがズラリと並んでいますが、フェアウェイウッドのシャフトとなると、極端に数が少なくなります。また、ゴルフメディアでもドライバーシャフトの製品ニュースや選び方は、多く紹介されていますが、フェアウェイウッドのシャフトに関する情報は多くありません。そこで今回は、フェアウェイウッドのシャフトの選び方をお伝えしようと思います。

フェアウェイウッドのシャフトはどう選ぶ?

フェアウェイウッドのシャフトはどう選ぶ?

 まず、プロゴルファーの場合ですが、大半の人はフェアウェイウッドにドライバーと同一モデルのシャフトを入れています。これはドライバーとの「振り感」を統一するためです。硬さや調子(キックポイント)をそろえる事で振り心地がドライバーに近くなり、インパクトでの安定性が高まります。そういう意味ではアマチュアゴルファーも、ドライバーと同じシャフトを入れるのが良いでしょう。

 ドライバーと同一モデルを選ぶ際の注意点は重量です。フェアウェイウッドはドライバーより短いから重いシャフトを選択すべきという人がいますが、これは必ずしも正解とは言えません。というのも、例えば43インチ以上の3番ウッドはドライバーと同重量がベストだからです。そこで私が目安にするのが42.5インチという長さです。42.5インチより長いフェアウェイウッドはドライバーと同重量のシャフトを、42.5インチを下回るフェアウェイウッドはドライバーよりも10g程度重いシャフトを選ぶと、きれいにその下のクラブへとつながっていきます。

 一般的なフェアウェイウッドでいえば、5番ウッドがまさに42.5インチ付近なので、自分の5番ウッドの長さを知れば重量選定がしやすくなるでしょう。ただし、これはある程度パワーのある男性を想定したセッティングです。体格や体力、人によって好みも違うので、あまりパワーがないシニアやレディースゴルファーは、42.5インチを下回ってもドライバーと同重量のシャフトを入れた方が、ボールが上がりやすく良い結果になりやすいです。

「リシャフト」の場合はフェアウェイウッド専用シャフトという選択肢も

 一方で、今使っているシャフトを交換する「リシャフト」の際は、市販されているフェアウェイウッド専用シャフトを選択するという方法もあります。前述した通り、ドライバーと同じモデルのシャフトを入れるのがベストではありますが、実はドライバー用のシャフトは4万円を超えるような高価なものがほとんどです。

 多くのプロゴルファーはメーカーから提供されますが、我々アマチュアゴルファーは当たり前ながら、購入しないといけません。フェアウェイ専用シャフトはおおむね2万5000円程度で購入できるので、個人的にはリシャフトという選択肢の場合は、お財布に優しいこちらを勧めることが多いです。

 フェアウェイウッドはコースで使う頻度が少ない上に、ドライバーよりも短いので自分が使用しているドライバーシャフトと特性が近いシャフトを選定できれば、そこまで悪い結果になる事はありません。むしろフェアウェイ専用シャフトはフェアウェイウッドに必要な打ち出しなどの要素を考慮して設計されているので、人によってはその性能の恩恵でドライバーと同一モデルを装着するより良い結果になる可能性もゼロではありません。

 結局の所、ドライバーと同一モデルを選択しようが、フェアウェイ専用シャフトを選択しようが、重さという最大の要素を間違ってしまうと上手く打てる確率が極端に下がります。42.5インチという長さの目安をぜひ頭に入れて検討してみてください。

【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。

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