“逆の風”に悩まされ惜敗した藤田寛之 全米シニアOP終了後に吐露した悔しさと敗因とは?
悪天候のため8ホールを残して順延となっていた全米シニアオープン。3打差の単独首位で最後の8ホールに臨んだ藤田寛之だったが、プレーオフの末リチャード・ブランドに敗れた。
「自分自身も少し硬いなと感じていた」
◆米国男子プロゴルフ シニアメジャー第3戦<全米シニアオープン 6月27~30日 ニューポートCC(ロードアイランド州) 6954ヤード・パー70>
メジャー完全優勝にあと一歩と迫った藤田寛之だったが、76ホールの激戦の末、惜しくも敗れた。
第44回全米シニアオープン(ロードアイランド州・ニューポートCC)は、現地時間6月30日に行われた最終ラウンドが悪天候のためサスペンデッドとなり、月曜日(7月1日)に持ち越された。初日から首位で試合を引っ張っていた最終組の藤田は、10番までプレーして残り8ホール。3打差単独首位のまま”お預け“を食らった。
1895年に開催された第1回全米オープン、全米アマの舞台でもあったニューポートCCは“The Ocean State”とも呼ばれる州の中でも風が強いことで知られる。
残り8ホールで迎えた月曜日の朝、再開された優勝争いは前日まで全く吹かなかった“逆の風”との戦いにもなった。
「あの風は初めてだった」と、藤田が振り返る経験したことのない風。さらに、単独首位のまま待つ時間が長くなったことで、重圧も増した。再開直後の11番パー4で、いきなりボギーを叩くと、続く12番パー4でもボギー。14番パー4もボギーとなり苦しい展開にしてしまう。
1つ前の組でスコアを伸ばしたリチャード・ブランド(英)が、14アンダーまでスコアを伸ばして首位に立っていたが、最終ホールをボギーとして13アンダー。上がり4ホールをパーでこらえた藤田と並んでプレーオフとなった。
10番、18番の2ホールで争われたプレーオフは、共にパーで決着がつかず、18番の繰り返しとなるサドンデスに突入。プレーオフ3ホール目は共にボギー。勝負は4ホール目に持ち込まれた。
ともにグリーンを外し、藤田はグリーン手前から寄せきれず、残ったパーパットは6メートル。ブランドは左手前のバンカーからの3打目だったが、これを10センチにピタリとつけて楽々パーセーブ。藤田のパーパットは無情にもカップをはずれ、勝負がついた。
「今日はあまりいいプレーができなくて、プレーオフで負けてしまったのは残念です」と悔しさを正直に吐露。「負けましたけど、自分では今週いいプレーができたと思いますし、そこに勝利があればもっとよかったんだと思いますけど、それが達成できなくて残念ではあります」と、自分でも健闘をたたえたものの、やはり悔しさが先に立つ。
初めての風、残り8ホールでのプレー再開について「自分自身も少し硬いなと感じていて、それもあって今日は不安要素が多かったです」と敗因を口にした。
相手は、約1か月前に全米プロシニアでも優勝し、日頃はLIVゴルフでプレーする実力者。サスペンドッドになった後、自らのYouTubeチャンネルでも警戒すべき相手としていたブランドの前に力尽きた。
6月16日に55歳になったばかりの藤田。年齢を重ねるごとに実力をつけ、2012年には日本ツアー史上最年長の43歳で賞金王となった”遅咲きの男“だけに、新たなフィールドでの可能性を見出した一戦となった。
07/02 17:00
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