ドライバーの不調はパターに原因がある!? 2つのクラブが“しっくりこない”人がチェックするべきポイントとは?

ドライバーとパターはクラブセッティングの中で全く異なるスペックですが、コースでは「次に打つクラブ」として繋がりがあります。ドライバー&パターがうまくいかない「スイング以外の原因」を知っておくと、それぞれのクラブが機能しやすい、と筒康博コーチはいいます。

14本のクラブには「似た姿勢で打つ」ための数値がある

 一番遠くへ飛ばすためのドライバーとグリーン上で使うパターは全く異なる目的のクラブです。しかし、2番ホール以降は「パター→ドライバー」の順番で使用する繋がりがあります。

ドライバーとパターにはクラブとしての繋がりがある

ドライバーとパターにはクラブとしての繋がりがある

 そこで、パターの次にドライバーを打つ場合でも、ある程度「似た姿勢」でアドレスできるように、「クラブ長」と「ライ角」が調整されています。細かい数字はともかく、クラブを置いた時に、すべての番手でグリップエンドの高さに大きな違いがないことが、スムーズに異なる番手が打てる一つの目安になります。

 ドライバーとパターの長さを比べたとき、パターの方が長い場合は問題ありませんが、ドライバーよりも「短過ぎる」場合はプレーの繋がりを考えるとよくありません。なぜなら次のホールのドライバーの構え方を極端に変えて行わなければいけないからです。

短尺ドライバーを使用するとパッティングは前屈みが強くなる

 パッティング時の前屈みが強い選手といえば、メジャー18勝のレジェンドであるジャック・ニクラス選手が有名です。ちなみにニクラス選手が当時使用していたパーシモン(柿の木)ヘッドのドライバーのクラブ長さは42.75インチといわれていますが、現代クラブだとだいたい5番ウッドぐらいの長さになります。

パーシモン時代のドライバー長は現代の5番ウッド(43インチ前後)に近かったため、パッティング時のアドレスも前屈みが強くなっていた

パーシモン時代のドライバー長は現代の5番ウッド(43インチ前後)に近かったため、パッティング時のアドレスも前屈みが強くなっていた

 一方、現代のドライバーの一般的なクラブ長は45.5インチ前後。昔のプロがパッティング時に前屈みが強い選手が減った背景には、もしかしたらドライバーとパターのクラブ長が関係している可能性もあります。

 この傾向を参考にするなら、短尺ドライバーを使用している人に限れば、短尺パターとの相性がいいと思います。43〜44インチ前後のドライバーが主流の女性ゴルファーが32〜33インチのパターを使うのもクラブ長さとライ角度の流れからすると繋がりがいいといえます。

中〜長尺パター使用者に「ドライバー巧者が多い」理由

 こじ付けといわれるかも知れませんが、中〜長尺パター使用者に「ドライバー巧者」が多い気がするのは僕だけでしょうか?

 クラブ長の流れとプレーのつながりを考えると、姿勢が高いストロークを行う中〜長尺パターを使った次のホールのドライバーショットは、自然と大きなアドレスでスイングしやすいはずです。

中〜長尺パター使用者にドライバー巧者が多いのは必然

中〜長尺パター使用者にドライバー巧者が多いのは必然

 基本的に中〜長尺パターは総重量も重いモデルがほとんどです。数分後に使用するドライバーをスイングする際、軽く感じるためスイングスピードが出しやすい傾向も考えられます。

 現代のパターは40年前に比べ100グラム前後も重量アップしていますが、ドライバーはパーシモンやスチール時代に比べ数十グラム軽量化されています。

 クラブ総重量が520グラム以上ある現代のパターを使用した次のホールで、310グラム前後のドライバーを振るようになった背景には、グリーンの高速化とコースの延長なども影響してるかもしれません。

 もしドライバーとパターのどちらかがうまくいかないなら、クラブ長と重さの流れを変えてみてはいかがでしょうか。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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