流行りのワイドソールウェッジはグリーン周り専用がベターなの!? 知っておきたい“苦手な状況”とは?

売れ筋ランキング上位に顔を出す多くのウェッジは、豊富なソールバリエーションがそろっています。数多くラインアップされているソール形状ですが、中でも「ワイドソール」は比較的簡単にグリーン周りから寄せられると人気です。そこで、「ワイドソールウェッジ」のメリットとデメリットを小倉勇人店長に聞きました。

良くも悪くも「オートマチック」なワイドソールウェッジ

 最近のウェッジは、さまざまなソールバリエーションがラインアップされ、自分に合ったソールグラインド(削り)のモデルを選ぶことができます。

 そんななか、タイトリスト「ボーケイSM10 Kグラインド」や、ピン「S159 Wグラインド」、キャロウェイ「JAWS RAW Wグラインド」など、幅広ソールのモデルが増えており、人気だといいます。

 この幅広ソール、どんな効能があるのでしょうか。ゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉勇人店長に聞いてみました。

ワイドソールモデルとして人気の高い、タイトリスト「ボーケイSM10 Kグラインド」(右)とピン「S159 Wグラインド」(左)

ワイドソールモデルとして人気の高い、タイトリスト「ボーケイSM10 Kグラインド」(右)とピン「S159 Wグラインド」(左)

「幅広ソールのウェッジは、基本的にはちょっと手前から鋭角に入っても刃が刺さりにくく、ソールが滑ってミスを軽減してくれる効果があります。アプローチで刃が刺さってザックリしがちな人やダフリが多い人にとっては、お助け効果が期待できると思います。バンカーショットも脱出しやすいので、苦手な人にもオススメです」(小倉店長)

 幅の広いソールが接地時にしっかり地面に当たり、インパクトをそろえてくれるせいでザックリしにくいのが大きな特徴です。

 一方で、このバンス効果によってインパクトが均一化されるため、ヘッドの入れ方やボールコンタクトを繊細にコントロールして細かなテクニックを使いこなすのには向かない側面もあるといいます。いい意味でも悪い意味でも「オートマチック」なソールというわけです。

 またワイドソールなうえバンス角がある程度あるモデルに関しては、入射角がゆるやかな人や地面が硬い状況ではソールが跳ねるリスクもあるといいます。

「比較的アバウトに、やさしくアプローチするのに向いているソールではあると思います。しかしそれが自分の打ち方に合っているかどうかは、実際に打ってみないとわからないのが実情です。ぜひ購入前に試打してみて、バウンスの当たりを『やさしい』と感じられるか『ジャマだ』と感じるか判断してください。ウェッジフィッティングなどを受けてみるのもいいでしょう」(小倉店長)

フルショットでは抜けのよさがアダになり距離が合いにくい側面も

 ところで、「ボーケイSM10 Kグラインド」や、「S159 Bグラインド」などワイドソールウェッジの一部は、58度と60度など、ハイロフトモデルしかラインナップされていません。つまり52度や54度などアプローチウェッジ(AW)相当のウェッジには選択肢がないケースが多いのです。

 こういった点からも、ワイドソールは短い距離のアプローチでの使用に特化したモデルという側面があるのかもしれません。

「ワイドソールのウェッジは、フルショットなどのヘッドスピードの速いスイングでショットすると、インパクトでソールが地面に入っていかずに滑るように抜けていき、ボールがフェースに乗りにくいという印象は受けました」

「ショット時には、ある意味少し刺さるような挙動でターフを取って抜けていってほしいのに、ソールが滑るぶんその抵抗感が出にくいのだと思います。スイングのタイプや打ち方にもよるので一概にはいえませんが、大きく振るスイングにはあまり向いていないのかなとは思います」(小倉店長)

 こういった点からも、ワイドソール系のウェッジは、短い距離をやさしくオートマチックにアプローチするのに適したウェッジということができそうです。

 ザックリが多くて悩んでいる人は、試してみる価値はあるでしょう。一方で、フルショットはタブー、あくまでグリーン周り用のものと割り切ることが重要です。

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