「打ち放題で数をこなす!」or「ボール貸しでじっくり時間をかける…」 効果的な練習ができるのはどっち?

ゴルフ練習場には大きく分けて「打ち放題」と「ボール貸し」の2つのシステムが存在しますが、上達のためにはどちらを選べばいいのでしょうか。

基本的にはボール貸しの練習場がオススメ

 ゴルフ練習場にはさまざまな料金体系が存在しますが、定められた時間内であれば何球打っても料金が変わらない“打ち放題”と、「1球あたり〇〇円」と定められた“ボール貸し”の2つに大きく分けられます。

 どのような料金体系を採用している練習場を選ぶかどうかはゴルファーの好みによって異なりますが、より効果的な練習ができるのはどちらなのでしょうか。自身が運営するWEBサイト「プロだけが知っているゴルフ上達への道」でゴルフ知識を紹介している、レッスンプロの川端いっせい氏に話を聞きました。

目的を持って練習をする意識が大切です 写真:AC

目的を持って練習をする意識が大切です 写真:AC

「ボールをたくさん打てばそのぶん1球あたりの単価が安くなるメリットが打ち放題にはありますが、練習内容が雑になりがちなのがデメリットです。ボール貸しは打ち放題と違い一球一球を大切によく考えてから打てるので、実戦を意識した練習ができるのがメリットと言えるでしょう」

 川端氏は続けて「練習の際は基本的にボール貸しのほうがいいと思います」と言い、その理由について次のように話します。

「打ち放題はアプローチショットをメインにすれば効果的だと思いますが、それ以外は基本的にボール貸しのシステムで練習するのがいいですね」

「練習が雑になってしまうのを避けたいので、私も基本的に打ち放題でボールを打つことはありません。時間を気にする必要がないボール貸しの練習場で、スイングチェックをしながら練習をしています」

 練習場の料金体系がどちらであれ、多くの人は何も深く考えずに打ちたいクラブを持ってボールを打っているのではないでしょうか。川端氏は「上達を目指すためにも練習の際は意識すべきことがある」と言います。

「練習場ではコースを想定した実戦的な練習をすることが、スコアアップのためにも大切です。例えば練習を90分行うと仮定した場合、最初の45分はスイングの全体像を作るためにグリップやアドレス、トップオブスイングやフォロースルーの位置や形を確認しながらのショット練習、残りの45分はラウンドを想定しながらボールを打ちましょう」

「想定練習では実際のラウンドと同じようにティーショットを打ち、飛距離や方向によって2打目以降のクラブを選ぶなど、一球一球を丁寧に打つことを重視してください。この練習方法は私のスクールでも導入していますが、目的もなく90分間ボールを打ち続けるよりも、はるかにコースで上手に打てるようになります」

スイング固めには素振りも重要

練習時には素振りを織り交ぜることも効果的 写真:AC

練習時には素振りを織り交ぜることも効果的 写真:AC

 また、川端氏は「実際にボールを打つ練習も大事ですが、素振りも同じくらい重要」と言い、以下のように話を続けます。

「力一杯クラブを振っているのに思ったより飛距離が出ないのは、スイングの力をきちんとボールに伝えられていないのが原因です。スイングの力感とボールの飛距離を一致させるためにも、きちんと『ミートする練習』を推奨しています」

「ミート率を上げるためには安定したスイング軌道を身につける必要があり、素振りを繰り返し行うのはスイング固めに有効です。もちろん練習場で打席が空くのを待っている人がいる場合は注意が必要ですが、余裕があるのであれば素振りを取り入れてスイングの再現性を高める練習がオススメです」

 中には「とにかくボールをたくさん打とう」という気持ちから、打ち放題を選んでいるゴルファーも少なからずいるでしょう。しかし、そのような姿勢では得られるものも限られてしまい、練習が雑になってしまうことも考えられます。

 上達のためには目の前の一球一球に目的意識を持って、打球だけでなくスイングやフォームも確認しながら質の高い練習をすることが大切であると言えそうです。

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