渡邊雄太がNBAプレーオフを展望…今夏のパリ五輪や日本代表選手についても言及

4月22日、「NBAプレーオフ2024」ウェスタンカンファレンス1回戦、ダラス・マーベリックスvsロサンゼルス・クリッパーズ第1戦の中継にWOWOW NBAアンバサダーとして渡邊雄太が生出演。その後、八村塁(レイカーズ)への期待を含めたプレーオフの見どころ、富永啓生や河村勇輝といった日本代表メンバーとの交流などについて、WOWOWのインタビューに対応。その一部をお伝えする。

インタビュー=WOWOW

◆プレーオフ注目はペイサーズ、もちろん八村の活躍にも期待

今季のプレーオフ予想を渡邊自身で解説 [写真]=WOWOW

――21日からプレーオフが始まりました。注目のチームを教えてください。
渡邊 自分が所属していた(フェニックス)サンズはやっぱり気になります。それからレイカーズや(デンバー)ナゲッツも注目しています。特に、(レイカーズの八村)塁とは仲がいいので、彼がナゲッツ相手にどうプレーするのか気になります。東では、実際に戦い、プレーしているのを見ていると、(インディアナ)ペイサーズは良いチームで面白いと感じました。そのペイサーズが(ミルウォーキー)バックス相手にどういうプレーするかすごい楽しみです。西も東も、どこが勝っても不思議じゃないというか、それぐらい今シーズンは混戦だったと思っているので、下位シードが上位シードを倒す可能性は十分あり得ると思っています。どのチームが勝ち上がってもおかしくないです。

――注目する選手は?
渡邊 ペイサーズのタイリース・ハリバートンは当然注目です。彼中心のオフェンスがペイサーズの強みです。ハリバートンの縦パスや、彼の展開からペイサーズのリズムが生まれていると思うので、そういうのもすごい楽しみです。あとは、やはり塁ですね。彼は日本代表でも一緒にプレーしていますし、彼がどのようにプレーするのか楽しみにしています。

――八村選手が所属するレイカーズとは10月と11月に対戦しました。
渡邊 去年のプレーオフから3ポイント(シュート)が格段に上手くなったと思います。元々シュートが上手な選手ではありましたが、どちらかというとドライブからのレイアップやミドルレンジを得意としていた中で、今シーズンから3ポイントもかなりの高確率で決めていて、ディフェンスする側としてすごくやりにくい感じでした。距離を詰めたら抜かれてしまいますし、元々フィジカルがすごいので体を当てながらドライブでフィニッシュまで持っていきますし、スペースを空けたら3ポイントを決められるし、対戦相手にしたらすごく嫌な選手でしたね。

――プレーオフではどんなプレーを期待しますか?
渡邊 彼らしいプレーをしてほしいと思っています。去年のレイカーズのプレーオフでの快進撃は塁がいたからというのは間違いないと思います。今シーズンはいきなり優勝候補のナゲッツと対戦ですが、レイカーズはナゲッツ相手に勝てるチームだと思うので、塁が二コラ・ヨキッチなどをしっかりおさえて、レイカーズが勝っていく姿を見たいです。塁がレイカーズのキープレイヤーと言っても過言ではないと思います。

◆富永、河村から「お疲れさまでした」とメッセージ

インタビューではパリ五輪や日本代表についての質問も [写真]=WOWOW

渡邊 チームの目標はこの間、トム(・ホーバス・ヘッドコーチ)がベスト8を目指すと発表したので、今の僕たちにとっては良い目標だと思っています。ドイツもフランスも強豪ではあるのですが、正直言って、五輪でどの国と対戦してもどの組に入っても変わらないです。ただ、開催国のフランスと対戦できるのはうれしいです。お客さんも満員になると思うので、完全アウェー状態の中で五輪を戦えるのはすごい楽しみにしています。

――日本代表でチームメートの富永啓生選手は、渡邊選手から見てどのような選手でしょうか?
渡邊 シュート力に関しては、すでにNBAの中でも上位クラスにいると思います。それぐらい彼のシュートはよく入ります。今シーズン、ネブラスカ大学で彼の持っているものがより開花したと思っています。バスケットって結局いろいろ言われますけど、シュートが入る人はかなりチームから欲しがられます。そういった意味では、NBAでやっていけるものは持っていると思います。僕の時もそうでしたが、周囲から色々な意見が出てきます。僕は自分自身を信じてやってきた結果の6年なので、彼もあまり周りの声を気にせず頑張ってほしいです。日本に帰国するのを発表した後に彼とは連絡をとって、「お疲れさまでした」と言われましたけど、僕からは、「まずNBAのベンチに入って僕の6年間なんて軽く超えてくれ」と伝えました。チームメートとしても、友人としても、そしてNBAで多少なりともやってきた先輩としても彼のことをすごく応援しているので、僕はあまり色々言わずに彼がやっていることを信じて黙って応援していこうと思います。

――来季、日本でプレーすることを発表されました。その後に日本代表のメンバーから連絡がありましたか?
渡邊 何人かから連絡をもらいました。(富樫)勇樹とはそのずっと前に言っていたので、改めて連絡をもらいました。あと、河村(勇輝)からも連絡をもらいました。彼はすごく真面目と言うか、すごく良い性格をしていて、本当に良い子です。「自分なんかが雄太さんのことをすべて知っているかのように連絡するのはおこがましいかと思ったのですが」みたいな感じで始まったので、そんなこと気にせず去年あれだけ一緒に頑張った仲なんだからという感じで返しました。それで、「NBAでの6年間すごかったです、お疲れさまでした」と言ってもらえてうれしかったですね。昨年に日本代表でプレーして、本当にすごく楽しかったので、またこの夏にあのメンバーたちと一緒にプレーできると考えたら、それだけで今からワクワクします。

――来季はBリーグでプレーすることになりますが、日本のファンにどういったプレーを見せたいですか?
渡邊 僕らしいプレーを見せていくのが一番だと思っています。あまり色々考えずに、僕が今まで経験してきたことを僕が今まで得てきたものをコートに出していきたいです。本当に楽しんでバスケットがやれたらと思っているので、お客さんが楽しんで、渡邊選手はいつも楽しそうにプレーしているね、みたいなことを言ってもらえるのが自分にとっては嬉しくなると思っています。

――日本での生活は11年ぶりになりますが、やりたいことや行ってみたいところはありますか?
渡邊 日本に帰ってきても、僕の生活リズムは変わんないだろうと思っているので、基本的には引退するまで、バスケ漬けの生活になると思っています。日本食は本当に大好きなので、日本食がいつでも食べられる環境があるのは、自分の中で一番大きいですね。

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