【競馬血統予想】菊花賞で注目はキングカメハメハ系 過去10年のデータから穴馬2頭をピックアップ

【過去10年の血統分析は偏った傾向に】

 10月20日(日)、京都競馬場で3歳馬によるGⅠ菊花賞(芝3000m)が行なわれる。

 3歳3冠レースの最終戦に位置づけられているこの一戦。今年はGⅠ日本ダービー馬ダノンデサイル、GⅠ皐月賞2着のコスモキュランダなど春の実績組に加え、GⅡ神戸新聞杯を勝ったメイショウタバル、GⅡセントライト記念を勝ったアーバンシックと、トライアルの勝ち馬が揃う。さらに夏の上がり馬もスタンバイしており、実績組と上がり馬の比較が重要なポイントになりそうだ。


前走の日本海Sを制したヘデントール photo by Sankei Visual

 血統的視点からこのレースを占っていこう。過去10年の菊花賞勝ち馬の血統を見ると、サンデーサイレンス系が7頭、キングカメハメハ系が3頭という内訳。特に直近8年はディープインパクト(父サンデーサイレンス)産駒5頭、キングカメハメハ系3頭と、偏った傾向になっている。まずはこの傾向に当てはまる馬を中心に見ていきたい。

 そこで今回注目したいのはヘデントール(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 父ルーラーシップ(その父キングカメハメハ)は、2017年の勝ち馬キセキと同じ。前走の日本海S(3勝クラス、新潟・芝2200m)を勝ってここに臨むが、夏の新潟で力をつけて菊花賞に出走する臨戦過程もキセキを思い起こすもの。しかも、日本海Sはキセキが勝った信濃川特別(2勝クラス、新潟・芝2000m)よりも格上のレースだ。

 そのレースではスタートこそ後手を踏んだものの、徐々にポジションを上げ、道中は3番手を追走。直線に入って追い出されると反応よく伸び、2着に3馬身半差をつける完勝だった。内容的には、ここに入っても通用できそうなスケールを感じさせた。

 母コルコバードは、全5勝のうち芝2400mで3勝したステイヤー。ヘデントールはその血を濃く受け継いだのだろう。母の父ステイゴールドは2011年オルフェーヴル、2012年ゴールドシップと2頭の菊花賞馬を出している種牡馬で、レースに縁のある配合と言えるだけに期待したい。

【もう1頭の注目もキンカメ系】

 もう1頭もキングカメハメハ系の馬から、ミスタージーティー(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)を推奨する。父ドゥラメンテ(その父キングカメハメハ)は、2021年タイトルホルダー、2023年ドゥレッツァと、直近3年で2頭の菊花賞馬を出している種牡馬だ。

 母の父サドラーズウェルズはタイトルホルダーの母の父の父系祖父で、ミスタージーティーとはネヴァーベンドを母系に持つ点も共通している。さらにドゥラメンテ産駒で母系にサドラーズウェルズを持つのは、今年のスプリンターズSを勝ったルガル(母の父ニューアプローチ)とも共通している、ドゥラメンテ産駒のニックス配合だ。

 母リッスンは英GⅠフィリーズマイル(芝1600m)の勝ち馬。その産駒でミスタージーティーの半兄に、2019年の菊花賞で8番人気ながらタイム差なしの2着と激走したサトノルークス(父ディープインパクト)がいる血統だ。春にリステッドを勝ったあと、皐月賞(中山・芝2000m)、日本ダービー(東京・芝2400m)でふた桁着順に敗れ、ひと叩きしてここに臨むという臨戦過程は兄を思い起こす。

 そのほかにも、姉にGⅡローズS(阪神・芝1800m)のタッチングスピーチ、姪に昨年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を勝ったアスコリピチェーノがいるという、活気ある牝系。兄も姉も3歳秋に大きな飛躍を遂げた馬だけに、本馬にもここで大駆けを期待したい。

 以上、今年の菊花賞はルーラーシップ産駒ヘデントール、ドゥラメンテ産駒ミスタージーティーという、キングカメハメハ系の2頭に注目する。

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