デビュー1年、堂々の寄り=阿武剋、早々給金に王手―大相撲九州場所
入幕2場所目の新鋭が堂々とトップに並んで折り返した。初の勝ち越しに王手をかけた阿武剋は「あまり考えず全部勝てるように頑張る」。威勢のいい言葉とは裏腹に取り口は冷静沈着だった。
相手は日体大の先輩の朝紅龍。まわしが引けないとみると突いて懐に入れない。タイミング良く左を差し、右を引いて寄り切る万全の形。新入幕で負け越した先場所と同じ星数に並び、「前回は自分が弱かっただけ」。さらりと今場所への自信を口にした。
幕下15枚目格付け出しでデビューした昨年の九州場所は初日に敗れ、「緊張していると力を出せずに終わると身をもって知った」。今場所は師匠の阿武松親方(元幕内大道)から「1年で(観客を)沸かせる相撲を取れるのはすごい」と、うれしい言葉をもらえた。
モンゴル出身。一昨年の学生横綱で、新大関大の里は大学の同期だ。中学時代には地元の「数学オリンピック」で優勝経験があり、その明晰(めいせき)な頭脳は今後の土俵にも生かせそう。「朝起きたら同じ生活を繰り返して時間通りに動いている」と阿武剋。後半戦に向け、まだまだ余力はある。
11/17 20:41
時事通信社