悔しい過去と決別=ソフトバンク、覇権奪還―プロ野球

オリックスに3年連続で頂点を譲ってきた屈辱を、敵地の京セラドーム大阪で晴らした。ソフトバンクが4年ぶりに、覇権を取り戻した。
試合前までにマジックは1。勝って決めるべく、執念を見せた。1点を追う四回、2死一、三塁で川村が一塁手を強襲する当たりを放った。懸命のヘッドスライディングで適時内野安打とし、同点に追い付いた。直後に周東が初球を振り抜き、勝ち越しの2点三塁打。「川村の気迫を受け取って、打つことができた」。塁上で拳を掲げた。
2022年、減らせなかった「マジック1」があった。10月2日の最終戦で敗れ、オリックスに大逆転での優勝を許した。「優勝争いは毎回わくわくしているが、去年までは地獄。今年は何としても、という思いがある」と選手会長の周東。夢がはかなく散った苦い記憶を、リーグ優勝という最高の結果で塗り替えた。
優勝を逃した過去3年の戦いを、1軍ヘッドコーチ、2軍監督として見守ってきた小久保監督。「一つ勝つことの難しさ」を感じていた。壁を乗り越えたチームが、ようやく歓喜の瞬間を迎えた。

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