バックスが多彩な攻撃=日本、成長示して強豪撃破―ラグビー・パシフィック杯

サモア戦の後半、トライを決める藤原(中央)=15日、東京・秩父宮ラグビー場



うだるような暑さの中で、強豪を破った爽快感は格別だ。日本は世界ランキングで上回るサモアから、同戦で過去最多の49点。SO立川は「強いチームに勝てたことは財産になる。いい自信になった」と拳を握った。
風下だった前半からバックスが攻め立てた。6分にFB李承信が絶妙の位置にキックを転がし、CTBライリーが先制トライ。39分には素早くパスを回して李承信がインゴールに飛び込んだ。縦に横に、大きな展開も交える疾走感。これまでのSOではなく、FBで攻撃ラインを操った立役者は「しっかり崩せた。難しい時間帯でも何をすべきか共有できた」と胸を張った。
ジョーンズ・ヘッドコーチはハーフ団の育成を重視している。この日は34歳の立川がSOに入って熟練の組み立てを見せたが、本来は23歳の李承信が現時点で最有力候補。25歳のSH藤原も躍動し、展開にめりはりがつき始めた。
前戦まで目立った後半の失速もなく、上り調子でフィジーの待つ決勝へ。指揮官は「ラック周りやキックを追う守備はカギ。課題が出るのは成長のチャンス」。タイトルを獲得して自信と経験を得れば、チームの土台はより強固となる。




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