一番星は優勝に一番近い相撲を取っている琴桜 注意しなくてはいけないのはポカ…元大関・琴風の目

美ノ海(下)を上手ひねりで下した琴桜(カメラ・朝田 秀司)

◆大相撲九州場所 8日目(17日・福岡国際センター)

 8日目を折り返した。好調な大関陣の中で、琴桜を一番星に指名する。佐渡ケ嶽部屋の先輩としての忖度(そんたく)はない。今場所が優勝に一番近い相撲を取っているからだ。3日目の王鵬との一番で墓穴を掘ったが、4日目の難敵・若隆景は挟み付けるようにして寄り切った。潮目が変わった。

 この日の美ノ海との一番も時間は要したが、一貫して前に出ていた。注意しなくてはいけないのはポカ。これまでは集中力が欠如し、腰高になってフワリと立ってしまう相撲が何番かあった。悪癖をクリアできれば初優勝できる。この手で賜杯を抱けば確実に自信につながり、綱も狙える。

 場所前、二所ノ関一門の連合稽古で会った時に「鬼になれ」とゲキを飛ばした。場所後の26日は琴桜の祖父である先代・佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴桜)の誕生日である。ぜひ墓前に優勝報告をしてもらいたい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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