暴走列車になり無防備に走って墓穴を掘った大の里…元大関・琴風の目
◆大相撲 ▽九州場所4日目(13日・福岡国際センター)
馬力はあるけど腰が高い。阿炎が大の里の弱点を突いた。阿炎のもろ手が喉元に入った時、大の里の顎が上がった。よほど慌てたのだろう。顔を天井に向け、左脇を空けたまま走った。そこを阿炎にすくわれた。
もろ手で喉元を突かれても、工夫次第では違う風景を見ることはできた。顎を上げても両手で前まわしを探れば、前傾姿勢を作ることもできたし、腰も浮かすことはなかった。前に走った時、先場所から大の里の代名詞になっている左からのおっつけを忘れなければ、また違う風景も広がった。敗因は暴走列車になって無防備に走って墓穴を掘ったこと。阿炎の方が大の里よりちゃんこの味が染みついていたということだろう。
5日目は好調な熱海富士が相手。横綱不在でも前半から好取組が目白押しだ。若手が育ち、役者がそろってきた証しでもある。
(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
11/14 05:45
スポーツ報知