大の里、勝ち方には疑問残る初日 土俵際苦し紛れの逆転技は毒を飲むのと同じ 綱へ勝ち方修正を…元大関・琴風の目
◆大相撲 ▽九州場所初日(10日・福岡国際センター)
先場所覇者の新大関・大の里(24)=二所ノ関=が白星スタートを決めた。西前頭筆頭・平戸海(24)=境川=を相手に土俵際まで追い込まれたが、逆転の突き落とし。ヒヤヒヤながらも「大関1勝」を手にした。
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大の里は反省しなくてはならない。平戸海は場所ごとに馬力をつけている。それでも立ち合いではじき飛ばさないといけない。右差しも左おっつけもできない。新大関としての初日。緊張もあったのだろう。番付の重みも感じたに違いない。そういう意味ではいい経験になったと思う。怪物もやはり24歳の青年だったということだ。
先場所も初日、熱海富士に苦戦した後に本来の相撲を取り戻した。切り替えの速さとうまさには定評はあるが、勝ち方には大いに疑問が残る。突き落としという苦し紛れの逆転技は、毒を飲むのと同じなのである。毒が全身に染み渡ると体が覚えてしまう。ちょっと押せなくなるとすぐに突き落としで逃げようとしてしまう。墓穴は掘るし、大きなけがにつながるリスクも高い。大の里の綱への道にとっては大きな弊害。修正が急務になる。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)
11/11 05:35
スポーツ報知