立命大が関学大と同率優勝!前節V決めた宿敵を5年ぶり撃破 甲子園ボウルでの再戦へ山崎主将「甲子園の関学大に勝ってこそ、本当の勝利」

第4クオーター、この試合2つめのタッチダウンを決める立命大RB山崎大央(カメラ・田村 龍一)

◆関西学生アメリカンフットボールリーグ▽最終節 立命大24―14関学大(10日・万博記念競技場)

 立命大が前節で優勝を決めていた関学大を24―14で破り、同率で2年連続14度目の優勝を決めた。主将のRB山崎大央(だいち、4年)=大産大付=が2タッチダウン(TD)でチームをけん引。プロ野球ドラフト会議でDeNAに1位指名された三菱重工West・竹田祐投手(25)の弟、剛(3年)=大産大付=もQBでフル出場し、勝利に貢献した。1部リーグは全日程が終了し、開催中の全日本大学選手権(12月15日決勝=甲子園ボウル)には上位3校の立命大、関学大、関大が出場する。

 * * * * * * *

 スタンドを含めた全員の勝利だ。優勝カップを抱えた山崎のもとに集まり、立命大の選手全員がNO1とばかりに天を指す。歓喜の輪の中心で、主将は「このチームは一人一人の個性が強い。それがきょう、一つになれた」と喜びをかみ締めた。

 大一番で、主将自ら得点をたたき出した。第2クオーター(Q)で1点差に迫られた直後に65ヤードの独走TDを決めると、3点リードの第4Qではディフェンス2人を飛び越えてTDを奪い、粘る関学大を振り切った。両軍随一の躍動にも「オフェンスチーム全員で取った得点」と仲間に感謝した。

 10月14日、2年ぶりに関大に敗戦。在学中の02、03年度にライスボウル連覇を成し遂げた高橋健太郎監督(43)は「今までやってきたことが正しかったのかと、空中分解しかけた」と振り返る。ここで山崎は改めて「楽しむ」というテーマをチーム内に喚起した。「個性や自由を日本で一番尊重しているチーム。高橋監督の代は最大限出せていた。近年は表現できていない」。19年以来となる関学大撃破に、「みんなも自分もフットボールを楽しめた」と充実の汗を拭った。

 互いに勝ち進めば、関学大とは大学選手権決勝の甲子園ボウルで再び相まみえる。竹田は「(関学大は)いろいろなプレーを隠しながらだったと思う」と警戒し、山崎も「彼らは甲子園(ボウル)に合わせてきていると思う。甲子園の関学大に勝ってこそ、本当の勝利」と再戦を見据えた。9年ぶりの大学日本一へ―。歩みはまだ途中だ。(森口 登生)

 ○…前節で6大会連続61度目のリーグVを決めた関学大だが、この日は立命大に防御網を破られ、全勝での単独Vを逃した。大村和輝監督(53)は「準備された相手のオフェンスに対応できていない。タックルするチャンスがあったのに見てしまった」とサバサバ。開幕直前に5選手による大麻疑惑が発覚し、無期限活動停止中の部員もいる一方、毛髪検査で陰性となってすでに部活動に復帰した部員もいる。日常を取り戻しながら、関西2位扱いで、最長記録更新の7連覇がかかる甲子園ボウルを目指す。

ジャンルで探す