石川遼「我慢していてよかった」18番で決めた 逆転で大会単独最多4勝 ツアー通算20勝
◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(10日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
首位と1打差の2位から出た石川遼(カシオ)が5バーディー、2ボギーの67で回り、通算11アンダーで逆転し、6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品以来、今季2勝目を手にした。最終18番でバーディーを奪い、谷原秀人、河本力を1打上回った。年間複数回優勝は2019年(3勝)以来、5年ぶり。史上12人目となる節目のツアー20勝を、大会史上単独最多となる4勝目で飾り、記録的な一戦とした。
ホールアウトした石川は「いいゴルフができたなっていう気持ちでいたので、最後まで諦めずに。後半なかなかチャンスをものにできなかったけど、最後まで諦めずに、チャンスが最後の最後に来たので、我慢していてよかったなという思い」と喜びを語った。
この日は2オン2パットのパー発進とした。最初のバーディーは3番パー5。グリーン手前バンカーからピン左80センチに寄せた。最難関の6番では第2打がグリーン左のバンカーにつかまった。左足はラフ、右足はバンカーという悪いライから、カップを1・5メートルオーバー。下りのパットを残したが、パーをセーブ。すると、ここから流れに乗った。7番パー3で振り抜いた一打は、ピン手前20センチにピタリ。ホールインワン寸前のショットに多くのギャラリーからどよめきと歓声が起きた。8番では4メートル、9番で6メートルのバーディーパットを沈めて2打差の単独首位で折り返した。
10番では3メートルのバーディーパットがピン真横で止まり、惜しくも伸ばすことができなかった。11番は花道からの第3打を寄せ切れず、この日初のボギーをたたいた。13番パー3では、ティーショットがグリーン右のバンカーに。第2打は5メートルショートし、再びボギー。だが、その後は巻き返しを見せ、御殿場で4度目の頂点に立った。
第1ラウンド(R)は5バーディー、1ボギーの66で回り、首位と2打差4位と好発進とした。「自分なりにはできていないところもあるが、最近の中では良かったラウンドだと思う」と納得感を見せていた。第2Rはパットがわずかに決まらず、71とオーバーパーをたたいた。首位とは5打差に広がり「ここから巻き返すことに必死にならないと」と気を引き締めていた。第3Rではパッティングを見事修正。3メートルを沈めてバーディー先行とすると、序盤からスコアを伸ばした。最終18番パー3ではこ、今週から投入した50度ウェッジでピン下1メートルにピタリ。今季男子ツアー最多、1万48人のギャラリーを沸かせた。
この大会はこれまで2010、12、22年と3度制覇。これまで3勝を挙げているのは石川のほかに国内94勝の尾崎将司、同48勝の中嶋常幸、リー・ウェストウッド(英国)の3人。尾崎、中嶋という永久シード保持者の2人と肩を並べていることは「この大会の勝利数だけでも、同じというところはすごいうれしい」と感慨深くコメントしていた。
これまでの3勝は、いずれも最終日最終組でプレー。1打差2位で最終日を迎えることが決まった際には「この位置で最終日を迎えられるのは、この上なく幸せ。今日よりも自分を良くして、明日は終わりたい」と力強く語っていた。4勝目も最終日最終組から手にし、今大会での“必勝パターン”とした。
この優勝で大会史上単独最多の4勝とした。開幕前には「残りの自分のゴルフ人生を全て使って、そこ(大会4勝)を目指したい」と意気込み、有言実行とした。第3R終了後には「10代、20代、30代で1勝ずつできているので、40代でもう1勝できれば」と冗談交じりに話していた石川。33歳となり、再び御殿場で栄冠を手にした。今大会での40代Vにも期待がかかるが、30代でいくつ勝利を重ねるかにも注目が集まる。
11/10 14:16
スポーツ報知