福永啄巳が東日本ウエルター級新人王 「いつか僕が一番だと証明したい」

金子佳樹(左)を攻め込む福永啄巳(カメラ・相川 和寛)

◆プロボクシング ▽第81回東日本新人王決勝 ▽ウエルター級(66・6キロ以下)5回戦 〇福永啄巳 (判定) 金子佳樹●(3日、東京・後楽園ホール)

 ウエルター級は福永啄巳(青木)が金子佳樹(金子)に判定勝ち。今年3月に敗れた相手に“リベンジ”を果たし、東日本新人王に輝いた。

 戦績は24歳の福永が5勝1敗、26歳の金子が4勝(4KO)1敗。

 福永が雪辱だ。初回、絶妙なタイミングで右ショートを放つと、強打に勝る金子が崩れた。ダウンを喫した金子は挽回を狙ってプレスを強め、右の強打を中心に反撃。だが、福永も最終回、打ち合いに応じて右アッパー、ワンツーでポイントを重ねた。ともに決定打を奪えず、試合は判定へ。ジャッジ1人は47―47とイーブンだったものの、残る2人から48―46と支持を集めた福永は、リング上で歓喜の涙を流した。

 「すごくうれしかった。ダウンを取って、2ポイント、リードしたと思って、守りに入ってしまった。前回負けているので、ビビりながらやっていた。実際に何発かもらって、心折れそうになったけど、2ポイント取ったし、諦めてはいけないと思った」と福永。それでもダウンを奪った右ショートは絶妙なタイミング。「いつも練習でやっているパンチ…。当たってよかった」と笑顔を見せた。

 悔しさを力に変えた。今年3月、金子の強打に圧倒され、3回TKO負けを喫した。その後3連勝して決勝の舞台に駒を進めたものの、記者会見では金子に視線が集まった。「その時、やってやるぞ、見ていろよと思った」という。それでも「負けてから、新人王決勝で金子選手とやるという目標を立ててやってきた。でも、試合では、自分に足りないものを分からせてくれる人が多く、いい経験が積めました」と前を見続けてきた。

 「次も勝って全日本新人王になります」と福永。「夢はウエルター級で世界チャンピオンになること。今は足もとに及ばないけど、経験を積んで、全員倒して、いつか僕が一番だと証明したい」と夢を広げた。

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